コウライトラギス 葉山 権太郎岩沖 Parapercis snyderi Jordan and Starks,1905
2013年 02月 09日
きわめて普通種である。
気が付くととぼけた顔をして、すぐ横にちょこんと座ってこっちを見ている。
海の中で時折誰かに見られているのを感じることがあるが、多くはこの子たちだ。
その他は、気味が悪いが未だに何者かは不明だ。
しかし、この顔である。
こっちも力が抜ける。
警戒心の薄い親しみの湧くキャラである。
2
この繁殖行動は面白いらしい。
受け売りだが、オスは、夏頃の繁殖期に数尾のメスとハーレムを作る。
その集団を一定期間維持する。
日没前にはオスはメスを誘い、水底から数十cmに浮上し、そこでそれぞれ放卵・放精を行う。
時折、ペアのいない他のオスが、放卵時にサッと紛れ込んできて放精して逃げていくらしい。
これ「ストリーキング」と言うそうだ。
また、ストリーキングされないように、わざとジャンプして繁殖行動をしているように見せかけて他のオスをかく乱する「シグナルジャンプ」という行動もするそうな。
一度日没時に潜ってみたいと思う。
3
特徴は、背側に並ぶ、黒っぽい鞍のような斑紋と、腹側の横じまのような斑紋である。
甲殻類や多毛類を喰べる。
オスは胸鰭基部に黒い斑紋があり、また頬に黒か黄色の帯がある。
僕は食べたことはないが、トラギスやクラカケトラギスなどカワハギの外道で釣れるトラギスの仲間と比べるとそんなに美味しくはないそうだ。
4
ナマコの上にちょこんと座ってこちらを伺っていた。
体長せいぜい10cm程度の、愛すべき生き物である。
僕がナマコの上に置いたわけではない。