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カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)

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カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)_d0175710_19255594.jpg
葉山の海のどこにでもいる魚の代表選手というと、べラの仲間のキュウセンとこのカワハギがいる。
市場価値としては、関東ではキュウセンは見向きもされないが、カワハギは高級魚である。
実は、毒々しい色のキュウセン(♂)は関西では珍重されており、さすが大阪だと思う、って偏見か。

カワハギは、新鮮なものは薄造りにして、裏ごしした肝を和えた醤油で食べる。
淡白な締まった身に肝の濃厚さ。
いくらでも酒が飲める。
肝の大きな冬の時期が良いなあ。
また、ちり鍋にしても美味い。
上品な良い出汁が出る。
グルメブログか。


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カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)_d0175710_19261412.jpg
カワハギは、北は北海道から西は東シナ海まで分布する。
皮は堅くザラザラしているが、簡単に手で剥がれる。
だからカワハギ。
地方によっては、「バクチウチ」と呼ぶところもある。
負けると身ぐるみ剥がされるからか。

このおちょぼ口が曲者だ。
この口から水を吹いて砂を巻き上げ、隠れている餌を探す。
環虫類、貝類、甲殻類などを食する。



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カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)_d0175710_19263036.jpg
僕は過去にかなり釣りに凝っていたが、とりわけ好きだったものの一つはこのカワハギ釣りだ。
なぜかというと釣るのが非常に難しいのだ。
餌を一気に食わず、まずこのおちょぼ口でつつく。
異常がないと思うと口に含む。
おかしいと思えば吐き出すし、かじっては吐き出す。
これを釣り人に感知させずに行うのだ。
だから、気が付くと当たりもないのに餌はなくなっている。
だから、釣り方は色々あるのだが、基本は、竿をゆっくり上げ下げして(「聞く」という。)、重みを感じたり何かおかしいと思ったら合わせるのだ。
まだ下手な時は何度やっても、重みや変化が判らず餌ばかり取られていた。
悔しいので、高い竿を買い、毎週毎週釣り宿に通い、指南書を買ったりして勉強した。
それほど魅力的な魚なのであった。



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カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)_d0175710_19265573.jpg
石の下の生き物を探していると真っ先に寄ってくるのは前述したが、今はただのお邪魔虫である。
石の下に隠れる環虫類や甲殻類を喰ってやろうと、僕の周りを泳ぎ回りながら隙を狙っている。
チョロチョロと実にウザったい。
キュウセンはわりと間合いを取るが、このカワハギはかなり図々しい。
僕の顔の前や手の先にまで寄ってくる。
二度ほど素手で捕まえた。
食ってやろうかと思ったのだが、ダイビングで採取は禁止だ。
手で捕まえたんだからいいじゃないかとも思ったが、サザエを取るのと理屈は同じだ。
忌々しい思い出だ。
すっかり愛が冷めている。

ちなみに体色を実に上手に変える。
これもカワハギ。
by 1colorbeach | 2012-06-09 19:21 | 魚 (86) | Trackback | Comments(0)

ホームグランドである葉山の海などで出会った生き物を紹介します。


by 1colorbeach
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