スナイソギンチャク 葉山 権太郎岩沖 Dofleinia armata Wassilieff, 1908
2012年 01月 07日
数年前の冬のことだった。
透視度の良い葉山の沖を泳いでいて、岩の集まっている砂地を通った。
その中の一つの岩を見ると、岩壁にたくさんの色とりどりのスナイソギンチャクが付いていた。
まだ大人には成りきっていないようなのだが、繁殖か何かで集まっていたのだろうか。
この子たちは何処からどうやって何のためにここに集まっているのだろうかと、想像が膨らむ。
その後、沖に出て近くを通るときは、必ずここを覗くようにしている。
一昨年も同じ季節の同じ場所でこれらを見つけた。
昨年はだめだったが、今年は遭うことができた。
これは、白と黄色のトラと言って良いのだろうか、自然の色彩は言葉では表現ができないほど美しい
次は、薄いピンクのやはり美しい個体である。
神様はどうしてこのような色合いを作られたのだろうか。
この子たちは、通常は砂地で見かけるイソギンチャクなのである。
砂の下にある石などを土台にして、48本の触手を花のように海底から広げている。
スナイソギンチャクの色彩変異は非常に多様だ。
観賞用としても売買されているが、この自然な美しさは水槽の中では絶対に出ない。
ただ、綺麗な花には棘があるというか毒がある。
触手の白いポツポツは刺胞という毒液の入ったカプセルなのだ。
素手で触れば、瞬時に毒を撃ち込まれて痛い目に遭う。
この子たちは、刺胞動物門 花虫綱 イソギンチャク目 ウメボシイソギンチャク科に属する。
本州中部~九州に分布する。
夜なのだろうか、どこからともなく、この場所に一個体ずつ集まってくるのかもしれない。
そして、このように葉山沖水深15mの暗い海底にひっそりとお花畑を作るのだろう。
アチャコチャに跳んでるし、小さいので画にならないんです。(苦笑)