コボレバケボリ 葉山 権太郎岩右沖 Dentiovula colobica Azuma & Cate, 1971
2011年 10月 22日
ウミウサギの仲間は、宿主であるヤギやトサカなどに付く。
ウミウサギの軟体は外敵から身を守るため、この宿主に形状や体色を似せ擬態する場合が多い。
まあ、何をトチ狂ったかトラフケボリのように逆に派手な色で自らを鼓舞するのも中にはいるが。(警戒色という説もある。)
人間と同じで、一般的にケバイのには手を出してはいけない。
擬態の名手といえばウミウサギ多しと言えども、コボレバケボリは横綱格であろう。
完全にヤギと同化していて、実に見つけにくい。
色といい、ポリープのような突起もお見事である。
分布は千葉県以南で、ちゃんと探せばかなりいるようだ。
トゲナシヤギだと思うがこのホストと実に相性が良い。
普通でもなかなか探しにくい上、これは5mmくらいの小さいやつだった。
岩と岩の間の狭いところを何気に通り過ぎようとしたときに、偶然目に入った。
この白いフジツボのような貝を付けていなかったら見過ごしていたかもしれない。
これは、殻である。
美しい。
シルバーのベースにオレンジ色っぽいボヤッとした3本のラインが入っている。
長さ(殻高)10mmくらい。
殻が見たくて、ヤギにたかっているヤツの軟体を突付いてみたらポロリとこぼれ落ちた。
これがホントのコボレタポロリなんちゃって、お後がよろしいようで。
“居る”と分かっていないと、探す気すら起こりませんが...