トビヌメリ Repomucenus beniteguri
2010年 11月 12日
江戸前、と言えば寿司か天麩羅だ。
江戸前の天麩羅のタネは山ほどある。
好きなものを挙げると、クルマエビ、アナゴ、ギンポ、ハゼ、シロギス、スミイカ、か。
クルマエビの甘み、アナゴやギンポのコク、ハゼの旨み、シロギスの上品さ、スミイカの食感。
いいねえ。
以上、気の利いた天麩羅屋で野菜がついて10,000円は取られる。
よくメゴチはキスより美味い、などと言われている。
キスは軽すぎてねえ、やっぱりメゴチのコクだねえ、なんていう半可通が多いのだ。
冗談ではない。
まあ、良いキスを食っていないのだろう。
キスの甘み、香り、身の艶やかさ、品の良いコク…。
てやんでぇ、旬の活きのいいホコホコのキスを食ってみろってんだい。
って、急に江戸っ子になってしまった。
大人気ない。
あっ、キスの話ではなく、メゴチの巻であった。
で、メゴチはネズッポ科の魚の俗称である。
偉そうにしているが、僕も見分けはつかない。
ネズミゴチ、ヌメリゴチ、そして、このトビヌメリがメゴチの天麩羅ダネとしては上物といわれている。
第一背鰭が扇子のようになっているのがメスだ。
おめめパッチリ、なかなかの美人さんである。
そして、スタイルも抜群だ。
天麩羅で食っちゃうには惜しい気もする。
市場ではかなり高額で取引される。
だんな、上物ですぜ。
おーっ、ブラウン・シュガー!!!
奴隷市場ではない。
これがオス。
メスに比べると間延びした顔をしている。
人間のオスみたいなもんだ。
って、それがオスの見分け方ではない。
ちょっと見にくいが、第一背鰭が扇子というより破れ団扇のようになっており、黒っぽい紋様がない。
肉付きよく、男にしてはスタイルはいい。
美味そうだ。
ちなみに、メゴチ・キス論議は比較論であって、メゴチの天麩羅はもちろん大好物である。
煮付けも美味いぞ。
風干しも美味いぞ。
好き嫌いのない良い子なのだ。
ただ、特に風味と鮮度が勝負の魚なので、普通の居酒屋では滅多に上物には当たらない。
余談だが、釣りをやっていると、時々ものすごい臭いのメゴチが釣れてくることがある。
昔よくボート釣りをやっていたのだが、そのメゴチ、釣り上げた瞬間辺り一面に吐きそうなほどの刺激的悪臭を発するのだ。
貯めに貯めた病人のオシッコをティッシュに浸し密閉ビンに入れて、炎天下に一日放置したような臭い。
どんな臭いだ???
これは、どうもヤリヌメリというメゴチだと言われている。
神奈川県では”タバコゴチ”と呼ばれているらしい。
それでも、あんな臭いタバコを吸うのか、君。
値上げもしたし、止めたまえ。
釣り人は”クサメゴチ”などと呼んでいる。
とても、食えたもんじゃない。
ネズミゴチなどは、ノドクサリなんていう変な呼び名もある。
ひょっとしたら、ヤリヌメリと混同したのかもしれない。
いずれにせよ、こうやって海の中で見るメゴチは、愛らしくて美しく可愛いくて臭くない。
こちらフィリピンで干上がっていますが、海を満喫しているご様子でうらやましい限りです。
ヤリヌメリは臭いという話を聞いたことがわかりますが、釣り上げただけでわかるほどすごいものですか...それほど臭い魚にであったことがない私は、幸いヤリヌメリを釣ったことはないってことですね。
お仕事大変ですね。
フィリピンの記事は読ませていただいていますよ。
読み逃げですが。(笑)
ハゼと甲殻類、良いですね。
GENさん、ラッキーですよ。
特に、三浦の金田湾ではよくクサメゴチ釣りましたよぉ。
まさしく一瞬で辺り一面臭います。
特に風下注意。(笑)
今年の葉山は良いのか悪いのか分かりませんが凄いですよ。
帰国されたらご一緒しましょう。
体に気をつけてください。