タグ:ヤドカリ ( 14 ) タグの人気記事

イソヨコバサミ Clibanarius virescens (Krauss, 1843)  葉山 権太郎岩 

世間では、例えば魚について言えば、タイとかアジとか、「種」或いはそれに近い呼び方をされている。
しかし、前にも書いたが、ヤドカリについて言えば、大抵ヤドカリはヤドカリであり、それ以上のものでもそれ以下のものでもないのが一般的だ。
ヤドカリをそれぞれちゃんと種名で呼んでくれるのは、オタッキーダイバーと研究者、そしてアクアリストという水槽飼育の皆さんくらいなものだ。

分類上、僕もオタッキーダイバーに属するのだろうが、それほどヤドカリについて知っているわけではない。
ただ、”それ、イソヨコバサミですね”と、極めて普通種のこの子を指差しただけで、”ヤドカリ、お詳しいですね”と言われるのが現状なのだ。
ヤドカリは、分類がそんなに進んでいないこと、見分けにくいこと、殻から中々出てこないこと、そして、目つきの悪いのが多いことなどが、名前の普及を妨げている大きな要因かもしれない。

d0175710_16423858.jpg


このイソヨコバサミは、本州の磯や浅場で最もよく見られるヤドカリの一つだ。
ヤドカリの触角は、短い方が第一で長い方が第二なのだが、このヤドカリの第二触覚は、真っ青で特徴的だ。
鋏脚は左右同じ大きさで、クリーム色の斑点がある。
また、鋏脚と歩脚の先も、クリーム色となっている。

目つきが悪いヤドカリの多い中で、この子の目は粉砂糖を塗したようなつぶらな瞳を持っている。
実に可愛いヤドカリだ。
普通種、侮れないぞ。
[PR]

by 1colorbeach | 2016-05-26 16:44 | 甲殻類 (61)

イシダタミヤドカリ2 葉山 エビ岩沖 Dardanus crassimanus (H. Milne Edwards, 1836)

d0175710_21342016.jpg


アンガスキヌヅツミの記事で、右下部に貝殻があったことに気付かれただろうか?
これヤドカリだったのである


イシダタミヤドカリ。
詳細はここの記事で。


実に可愛かった。
まだ、お子さまサイズである。


d0175710_21343323.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2016-02-06 21:37 | 甲殻類 (61)

トゲトゲツノヤドカリ 葉山 砂地

1
d0175710_2345151.jpg


変な名前である。
トゲトゲツノヤドカリだと。
トゲツノヤドカリという、鋏脚にイソギンチャクを付けているヤドカリもいるので、ややこしい。
トゲトゲしてるとかしてないとかの違いではなさそうだ。

このヤドカリ、左の鋏脚が大きく、体色は全体に白っぽい。
第一触角に黒のラインがあり、第二触角は鳥の羽のようになっている。
特徴は、お目眼を支えている棒のような部分の下の方に、黒い点があること。
泣きボクロと言われているやつだ。
浅場の砂地に棲息し、僕が見かけるのも、170度の根周辺水深10mの砂地や権太郎岩手前の水深5mの砂地辺りだ。



2
d0175710_2345261.jpg


これは浅場で見つけたお子様。
きょとんとした感じで可愛い。
[PR]

by 1colorbeach | 2013-10-26 23:46 | 甲殻類 (61)

ホンヤドカリ 葉山・浅場  Pagurus filholi (De Man, 1887)

1
d0175710_2253594.jpg


日本中、どこの海の磯にもいるヤドカリである。
そういう意味では、磯遊びの子供たちのバケツの中の常連でもある。
小型で、体色は緑褐色。
ザ・ホンヤドカリであるから、当然右の鋏足が大きい。
特徴としては、鋏脚と歩脚の爪の部分が白いレッグウォーマー(手袋?)を履いているようで目立つ。
また、第1触角はオレンジ、第2触角は茶褐色と白の縞模様である。


葉山の芝崎からダイビングのエントリー口までのタイドプールにはヤドカリがゴロゴロといる。
これらを一つ一つ観察しながらエグジットするのは本当に楽しい。

2これはお子さまかな。
d0175710_21432145.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2013-03-05 21:45 | 甲殻類 (61)

ホシゾラホンヤドカリ 葉山・浅瀬 Pagurus maculosus  Komai & Imafuku, 1996

1
d0175710_1681072.jpg
実にロマンチックな名前である。
星空本宿借。
漢字で書くとなんか変な感じだ。

ご覧のとおり、赤褐色の体色に散りばめられた白や水色の斑点。
それを星に見立てたのだろうか。
そして、2対の鮮やかな赤の触角。
地味ではあるが、なかなか魅力的なヤドカリだ。
房総半島から九州の天草までの太平洋岸に分布する日本固有種のようだ。



2
d0175710_168223.jpg
時々、タンクを背負って葉山の浅瀬でのんびり磯の生き物観察をやっている。
その面白さに気付いたのか、最近地元のショップもやり始めた。
水深80cm以下で、多分おしっこ限界がなければ、半日は潜っていられる。
その場所で、秋頃に石捲りをしていて見つける場合が多い。
緑褐色の個体も多く、当初、ケアシホンヤドカリだと思っていた。
ただ、この点々が気になって調べてみたら本種だった。
ケアシホンヤドカリは、点々は黒、明るい緑の体色で、触角はもう少しオレンジがかっている。


ところで、最近、葉山のごろ場が荒れている気がする。
捲っても石の裏の付着物が貧相なのだ。
海況が荒れ気味ということもあるとは思うが。
ダンゴやウミウシ探しで石捲りをするのだろうが、その際はちゃんと石は戻しておいてほしいな。
生き物にとっては大切な棲処・餌処なのだから。
[PR]

by 1colorbeach | 2013-01-06 16:11 | 甲殻類 (61)

ブチヒメヨコバサミ  葉山  Stratiotes japonicus (Miyake, 1961)

1
d0175710_10585913.jpg
このヤドカリ、葉山では浅い所からかなり深いところまで幅広く見ることが出来る。
体色はクリーム色っぽい地味なものではあるが、綺麗なブルーの眼柄が特徴的だ。
また、第二触角の羽のような感じもお洒落だ。
蛾の触角に似ていると思ったのが第一印象だった。
足は全体に毛深く、左右同じ大きさの鋏足を持ち、歩脚には褐色の紋様がある。



2
d0175710_10591283.jpg
わりと殻から出やすいヤドカリで、あまり待ちくたびれたことはない。
このように大胆に出て来てくれる。
これ、相撲の立会いのようだ。
立会いとは、力士が見合ってお互いに気持ちや呼吸を合わせて、勝負を開始するまでの動作のことである。
言わば阿吽の呼吸だ。
カメラを持ったダイバーと海の生き物もまさしくこの関係である。
写真を撮ろうとしても、呼吸が合わないとそっぽを向かれるし、合えばベストポジションでダイバーに接してくれる。
僕のように欲があると大抵駄目だ。
しかし、オシッコを我慢しているときのヤドカリの出待ちは一番辛い。
そういう時に限ってなかなか出てこないし、せっかく撮れた写真も出来が悪い。
何事にも無心が大切だ。


3
d0175710_10592378.jpg
お子様の眼柄はこのとおり、淡いブルーだ。
実に愛らしく可愛らしい。





4
d0175710_1153018.jpg
                              グレムリン。
[PR]

by 1colorbeach | 2012-06-02 11:06 | 甲殻類 (61)

オキナワアカシマホンヤドカリ 葉山 権太郎岩沖 Boninpagurus pilosipes (Stimpson, 1858)

d0175710_23231647.jpg

あちこちにいるヤドカリなのだが、これまでちゃんとした名前がなかった。
ボニンパグルスの一種…、つまりBoninpagurus sp.と呼ばれていた。
それがこの度、千葉県立中央博物館の駒井博士らのご努力により、このヤドカリが小笠原のBoninpagurus acanthocheles、沖縄のPagurus pilosipesと、形態、DNAなどから同一であることが分かった。
ただし、いずれさらに詳しくDNAを調べれば、違った結果が出る可能性もあるかもしれないとのことなのだが、とりあえずは良かった。



d0175710_23233216.jpg

このヤドカリ、アカシマホンヤドカリに似るが、第一触角に黒のリングのあることが特徴だ。
(ないものもいるらしい。)
眼がキラキラしていて可愛い。
葉山では、浅場から深場に生息しているが、沖のトサカにこればかりまとまってくっ付いているのを見かけることがある。

なお、実は大した協力もしていないのに、過分にも論文で謝辞までいただいてしまい恐縮している。
引き続き、葉山で生き物観察に磨きをかけなければと思う。
その前に、辞書と首っ引きで英語の論文と格闘しなくてはならない。



d0175710_23234498.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2011-11-12 23:27 | 甲殻類 (61)

イシダタミヤドカリ 本日の葉山 Dardanus crassimanus (H. Milne Edwards, 1836)

凄い台風が去って、やっと潜れることとなった。
多分、透視度は悪いだろうが、北風が吹くので海況は悪くないだろうと、出かけてみた。
森戸海岸の道路から見た海は凪、真名瀬のトイレから見た海は案の定ニゴニゴだった。
そして、芝崎の岸壁から見た海も濁っている。
権太郎岩に向かって泳ぎだし、潜行した。

岩はアチコチで割れているし、砂があったところにゴロタがあり、ゴロタがあったところは砂地になり、カイメンはブッ千切れている。
凄かったんだなあと今更ながら思う。

こういう中で、ガイドロープは、エントリー側は一部切れているが、今回の大波にもちゃんと耐えてつながっていた。
整備をしてくれる皆さんに感謝したい。
皆さんに尻を向けて寝ていたので反省している。

権太郎岩手前は、若干のウネリはあるものの4~5mは見えていた。
群れも、スズメダイ、ボラ、タナゴ、カタクチイワシなどソコソコ通り過ぎてくれる。
しかし、沖に向かえば向かうほど透視度は悪くなる。
僕がお気に入りのゴロタと砂場の混じった一帯は、1m。
こりゃひどい。
でも、そんな中で今日はこの子達をけっこう見かけた。



d0175710_0181591.jpg

イシダタミヤドカリ。
ちょうどこれは、狭くなった貝殻を背負っている上のヤツが、下のヤツの貝殻を奪おうとして喧嘩しているところのようだ。
手篭にしているようにも見えるが。
面白いのでしばらく眺めていた。

このヤドカリは、葉山では極々普通種。
サザエやボウシユウボラなどを背負う大型のヤドカリだ。
名前は、左の第2歩脚の前節が石畳のようになっていることから来ているらしい。

この状態の中、2本目も行ってしまった。
2本目は190度の根に行ったのだが、果たしてニゴニゴであった。
でも、暗くて静かでなかなか雰囲気のあるダイビングができたかなあと思っている。
濁りもまた良し。

d0175710_8201796.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-24 00:30 | 甲殻類 (61)

マルミカイガラカツギ 葉山 権太郎岩沖の砂地 /Porcellanopagurus nihonkaiensis Takeda, 1985

カイカムリとカイガラカツギというややこしい名前の甲殻類がいる。
単純に考えれば、被っているのと担いでいるのとの違いのように思えるが、普通甲殻類は、被るにしてもどこが頭で、担ぐにしてもどこが肩なのだか良く分からない。
結論から言えば、カイカムリはカニの仲間であり、カイガラカツギはヤドカリの仲間なのである。
しかし、カイカムリの多くは、貝殻ではなく海綿を被っていて、分かりにくさに拍車をかける。



画像
d0175710_2233428.jpg
マルミカイガラカツギというホンヤドカリ科のヤドカリである。
普通のヤドカリのように巻貝でなく、一枚貝や二枚貝の方片を脚で支えて被る。
引っくり返すと丸見えなのである。
しかし、貝殻の下にジッと隠れていれば見つかることはないが。

日本にいるカイガラカツギは、これと沖縄などにいるチビカイガラカツギ、深海にいるザ・カイガラカツギだけなのだそうな。
甲類酒席研究員であるゴッド・アイズUさんが見つけた。
権太郎岩の沖の砂地にあるトサカの周辺でコシオリエビを探していたらいたのだそうだ。
おそらく、これも葉山初報告かなと思う。



画像
d0175710_22335260.jpg
まずは右鋏脚が大きい。
間違いなくホンヤドカリ科だ。
体色は全体的に茶がかった薄黄土色。
歩脚に白い横縞がある。

マメに探せば結構見つかるかもしれない。
どことなくヌケていて可愛いヤドカリである。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-08-26 22:37 | 甲殻類 (61)

ゴホンアカシマホンヤドカリ Pagurus quinquelineatus( Komai, 2003)

画像
d0175710_9432542.jpg
マニアックなヤドカリを一つ。
ゴホンアカシマホンヤドカリである。
葉山では、だいたい一年中見かけるヤドカリだ。
これは、オーバーハングの石の下にいた。



画像
d0175710_9415746.jpg

このヤドカリの特徴は、体色は赤褐色だが、脚は紫色っぽい透明感があり毛深い。
ホンヤドカリであるから右の鋏脚が大きい。
第一触角は褐色で、第二触角には白いブチブチッとした点がある。
なぜ、ゴホンアカシマかというと、歩脚に縦の赤縞があり、これが5本あるからだそうな。

はっきり言って葉山じゃ誰も振り向かない生き物かもしれないけど、普通種である。
人知れずひっそりと、しかも沢山いる。
探すとなかなか楽しいのが葉山の海である。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-07-09 09:45 | 甲殻類 (61)