イソヨコバサミ Clibanarius virescens (Krauss, 1843)  葉山 権太郎岩 

世間では、例えば魚について言えば、タイとかアジとか、「種」或いはそれに近い呼び方をされている。
しかし、前にも書いたが、ヤドカリについて言えば、大抵ヤドカリはヤドカリであり、それ以上のものでもそれ以下のものでもないのが一般的だ。
ヤドカリをそれぞれちゃんと種名で呼んでくれるのは、オタッキーダイバーと研究者、そしてアクアリストという水槽飼育の皆さんくらいなものだ。

分類上、僕もオタッキーダイバーに属するのだろうが、それほどヤドカリについて知っているわけではない。
ただ、”それ、イソヨコバサミですね”と、極めて普通種のこの子を指差しただけで、”ヤドカリ、お詳しいですね”と言われるのが現状なのだ。
ヤドカリは、分類がそんなに進んでいないこと、見分けにくいこと、殻から中々出てこないこと、そして、目つきの悪いのが多いことなどが、名前の普及を妨げている大きな要因かもしれない。

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このイソヨコバサミは、本州の磯や浅場で最もよく見られるヤドカリの一つだ。
ヤドカリの触角は、短い方が第一で長い方が第二なのだが、このヤドカリの第二触覚は、真っ青で特徴的だ。
鋏脚は左右同じ大きさで、クリーム色の斑点がある。
また、鋏脚と歩脚の先も、クリーム色となっている。

目つきが悪いヤドカリの多い中で、この子の目は粉砂糖を塗したようなつぶらな瞳を持っている。
実に可愛いヤドカリだ。
普通種、侮れないぞ。
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by 1colorbeach | 2016-05-26 16:44 | 甲殻類 (61)

キタマクラ の子ども 葉山 権太郎岩

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この時期、ちらほら見かける。
キタマクラの子。
だいたい海藻やヤギなどに顔を隠すようにヒラヒラ泳いでいる。

キタマクラなんて縁起の悪い名前だ。
喰ったら即死ぬ、という印象だが、身には毒はなく、それなりに美味いらしい。
僕は、釣った河豚は食わない。
もっと美味いものがあるという祖父の遺言だが、割烹の河豚は食べる。
大好物である。
全然遺言は守ってない。
爺さんにあの世であったら、河豚は美味かったぞと、自慢するつもりでいる。

この子は泳ぎ方が可愛い。
逃げるでもなく、ヒラヒラヒラっと漂う感じ。
でも、ちゃんとこちらを伺いながら一定の距離を保つ。
可愛いので、必ずちょっかいを出す。
可愛い子にはちょっかいを出すものなのだ。
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by 1colorbeach | 2016-05-22 20:27 | 魚 (89)

ウシエイ 葉山 エビ岩沖 

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葉山でダイビングで見られるエイは4種類と言われている。
僕が言っているだけだが。

多いのが、アカエイ、ヒラタエイ。
浅場によくいる。
でかいやつだと沖で見かけるツバクロエイ。
そして、でかいのだが、浅瀬にも時々いるウシエイ。

で、これが、葉山では浅くはないが、水深12mのエビ岩沖にいたウシエイ。

この日は、頭がボーッとしていて、210度でエビ岩に行くべきところを、なんと240度で進んでいた。
当然、行っても行ってもエビ岩はおろか知っている根に着かない。
透視度は、実は2~8m。
沖はかなり見えなかった。
何度か戻ったりぐるぐる回っている間に、知っている根に着いた。
で、こいつが砂地と岩場の間の大きな石に頭を突っ込んでいた。

エラが開け閉めされ、自然の息吹を感じるようでずっと見入っていた。
デカイ、尻尾まで2mはゆうに超えていた。
迷った結果出会えた幸運。
怪我の功名でした。

ちなみにDasyatis ushiei(Jordan and Hubbs)という「うしえい」がいるのだ、葉山で「ウシエイ」と呼ばれているエイのことを指しているのかは定かではない。
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by 1colorbeach | 2016-05-20 22:44 | 魚 (89)

ムラカミカニダマシ ??? 葉山 権太郎岩左沖ゴロタ場

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葉山の権太郎岩左沖に砂地と並行してゴロゴロとした石場が続く。
ここ、カニやカニダマシやらの甲殻類が豊富で、石を引っくり返すのが楽しみな場所なのである。
ちょっと古いが、2011年4月3日のこと。
水深12mのところでこれを見つけた。
第一印象は、かなり変わったカニダマシだなと。
しっかりとした甲、左右対称の黒子(黒点)が特徴的だ。




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さらに、この机の上の消しゴムカスを一掃してくれるようなモウモウとした鋏足の毛。
こりゃ、すごい。
ぜひ、オフィスに一台、いや一尾、いや一杯欲しい必需品でもある。
また、眼と眼に覆いかぶさるような甲が力強い。
世紀の大発見かと思い、浮上後、写真同定をお願いした。
標本がないので何とも言えないが、ムラカミカニダマシかその一種かも知れない
とのこと。



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けっこう美しいフォルムである。
その後、同定のための標本とすべく、何度もこの場に通った。
すでに、5年近く経つが、未だに遭えず。
絶対にいる。
愛があれば大丈夫だ。
愛は偶然のたまもの。
しかし、また見つけてやるからな、という強い意志だけは持って潜っているのだが、段々衰える体力・気力と共にメゲテきたぞ。
あと10年は潜る…つもりだが。



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by 1colorbeach | 2016-05-07 20:15 | 甲殻類 (61)