ダンゴウオ 3  葉山 権太郎岩

また、ダンゴウオかよ、とお嘆きのあなた。
お前ダンゴ興味ないんじゃないの?と非難するあなた。
どうでもいいと思っているあなた。
ごもっともです。
お許しください。



1
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以前、今年最初で最後のダンゴの話をした。
はずだった。
ところが、その後、1ダイブで4個体も見つけてしまったのである。
それも探していたわけではなく、偶然にだ。
なかなか可愛いと思うようになったのは情が移ったのか。


2
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これは紫ダンゴ。
なんだこりゃ。
紅いもタルトの出来損ないではないか。
あれ、大好きなんだよな。
御菓子御殿が恋しい。
これ、フワフワフワ~っと泳いでいたのだ。
音もなく、移動して着底した。
かなりの忍術の使い手であるのは間違いない。



3
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なんだこりゃ。
石である。
いや。小石にたかっていた岩型のダンゴである。
この魚、面白い。
通常エツキイワノカワという海藻に付いているのは、赤っぽくて丸まっちい。
ただ、成長するにつれ、水温が上がるにつれ、どんどん沖に向かう途中の石の下などで休んでいるやつはこんな感じだ。
水深10mで見つけたもの。
アヒルの足のような吸盤型の腹ビレが可愛い。

ダンゴウオの生態ってよく解っていないらしい。
が、葉山で見聞きした限りではこんな感じ。
毎年冬に交接か産卵かで、浅場に寄る。
年明けの厳冬の大潮の夜の磯でごつい成魚が見られる。
その後、2月初め頃からその年に生まれた天使の輪のついた細かいのが、浅場のエツキイワノカワで見つかりだす。
そして、2~4月はダンゴフィーバー。
5月頃まで続き、月末には沖に移動する。
といった感じか。

今年は、沖に旅立つ10mmくらいに成長したダンゴたちにたくさん会えて良かった。
また、来年会おうね。

4
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by 1colorbeach | 2012-06-23 10:30 | 魚 (88)

ゴイシガニ   葉山 190度の根   Palapedia integra (De Haan, 1835)

この日はものすごいウネリだった。
朝、権太郎岩を見たときには、ちょっとヤバイかなと思った。
エントリー付近に寄せる波は時折大波となっている。
入ってみるとやはりヤバかった。
ビユンビュンと振られる。
で、引き返して190度の根方面にエントリーしなおしてみた。
なんとかダイビングになった。




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今日の大ヒットである。
ゴイシガニ。
葉山にもいるんだなあと感激。
東京湾から南の地域の、サラサラとした砂混じりの石の下に生息するオウギガニの仲間だ。
石をめくるとモゾモゾモゾッと、あっという間に砂の中に潜る。
実は、歩脚の先端がシャベルのようになっていて、すばやく早く砂を掘れるのだ。




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カニの眼と眼の間を額という。
この額が、ご覧のとおり4つ(4葉歯)に分かれている。
中央の一対が外側の一対よりも幅が狭いのが特徴だ。
また、眼から甲にかけて切れ込みが入る。
さらに、歩脚と甲の間の密生した毛もポイントだ。
甲が丸くて色合いも白がベースなので、碁石。
オスが黒でメスが白ということではない。

帰りにタンクを回収しながら見た権太郎岩は凄かった。
ドッカーンという感じで大波が寄せている。
海全体はフラットに見えるのだが、台風のウネリの凄さを感じさせる。
これが、葉山だ。
騙されちゃいけない。
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by 1colorbeach | 2012-06-17 08:59 | 甲殻類 (61)

カワハギ 葉山・権太郎岩 Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel, 1850)

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葉山の海のどこにでもいる魚の代表選手というと、べラの仲間のキュウセンとこのカワハギがいる。
市場価値としては、関東ではキュウセンは見向きもされないが、カワハギは高級魚である。
実は、毒々しい色のキュウセン(♂)は関西では珍重されており、さすが大阪だと思う、って偏見か。

カワハギは、新鮮なものは薄造りにして、裏ごしした肝を和えた醤油で食べる。
淡白な締まった身に肝の濃厚さ。
いくらでも酒が飲める。
肝の大きな冬の時期が良いなあ。
また、ちり鍋にしても美味い。
上品な良い出汁が出る。
グルメブログか。


2
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カワハギは、北は北海道から西は東シナ海まで分布する。
皮は堅くザラザラしているが、簡単に手で剥がれる。
だからカワハギ。
地方によっては、「バクチウチ」と呼ぶところもある。
負けると身ぐるみ剥がされるからか。

このおちょぼ口が曲者だ。
この口から水を吹いて砂を巻き上げ、隠れている餌を探す。
環虫類、貝類、甲殻類などを食する。



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僕は過去にかなり釣りに凝っていたが、とりわけ好きだったものの一つはこのカワハギ釣りだ。
なぜかというと釣るのが非常に難しいのだ。
餌を一気に食わず、まずこのおちょぼ口でつつく。
異常がないと思うと口に含む。
おかしいと思えば吐き出すし、かじっては吐き出す。
これを釣り人に感知させずに行うのだ。
だから、気が付くと当たりもないのに餌はなくなっている。
だから、釣り方は色々あるのだが、基本は、竿をゆっくり上げ下げして(「聞く」という。)、重みを感じたり何かおかしいと思ったら合わせるのだ。
まだ下手な時は何度やっても、重みや変化が判らず餌ばかり取られていた。
悔しいので、高い竿を買い、毎週毎週釣り宿に通い、指南書を買ったりして勉強した。
それほど魅力的な魚なのであった。



4
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石の下の生き物を探していると真っ先に寄ってくるのは前述したが、今はただのお邪魔虫である。
石の下に隠れる環虫類や甲殻類を喰ってやろうと、僕の周りを泳ぎ回りながら隙を狙っている。
チョロチョロと実にウザったい。
キュウセンはわりと間合いを取るが、このカワハギはかなり図々しい。
僕の顔の前や手の先にまで寄ってくる。
二度ほど素手で捕まえた。
食ってやろうかと思ったのだが、ダイビングで採取は禁止だ。
手で捕まえたんだからいいじゃないかとも思ったが、サザエを取るのと理屈は同じだ。
忌々しい思い出だ。
すっかり愛が冷めている。

ちなみに体色を実に上手に変える。
これもカワハギ。
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by 1colorbeach | 2012-06-09 19:21 | 魚 (88)

ブチヒメヨコバサミ  葉山  Stratiotes japonicus (Miyake, 1961)

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このヤドカリ、葉山では浅い所からかなり深いところまで幅広く見ることが出来る。
体色はクリーム色っぽい地味なものではあるが、綺麗なブルーの眼柄が特徴的だ。
また、第二触角の羽のような感じもお洒落だ。
蛾の触角に似ていると思ったのが第一印象だった。
足は全体に毛深く、左右同じ大きさの鋏足を持ち、歩脚には褐色の紋様がある。



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わりと殻から出やすいヤドカリで、あまり待ちくたびれたことはない。
このように大胆に出て来てくれる。
これ、相撲の立会いのようだ。
立会いとは、力士が見合ってお互いに気持ちや呼吸を合わせて、勝負を開始するまでの動作のことである。
言わば阿吽の呼吸だ。
カメラを持ったダイバーと海の生き物もまさしくこの関係である。
写真を撮ろうとしても、呼吸が合わないとそっぽを向かれるし、合えばベストポジションでダイバーに接してくれる。
僕のように欲があると大抵駄目だ。
しかし、オシッコを我慢しているときのヤドカリの出待ちは一番辛い。
そういう時に限ってなかなか出てこないし、せっかく撮れた写真も出来が悪い。
何事にも無心が大切だ。


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お子様の眼柄はこのとおり、淡いブルーだ。
実に愛らしく可愛らしい。





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                              グレムリン。
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by 1colorbeach | 2012-06-02 11:06 | 甲殻類 (61)