ヒガンフグ 葉山 浅瀬 Takifugu pardalis(Temminck & Schlegel, 1850)

権太郎岩の手前、水深3~4mのところからのんびりのんびりガイドロープに沿ってエグジットに向かう。
一応、水深5mの権太郎岩の手前で安全停止はするのだが、浅瀬は結構楽しいのだ。
ふと見ると、でかいフグがいる。
50cm近い。

釣り人とダイバーの言う魚の大きさは話半分に聞けという。
僕は両方なのでほとんど嘘に近いことになるが本当だ。
老成したアカメフグ?と思ったが、でかすぎるし感じが違う。
長時間ダイビングの上り際で頭がパーになっているので、陸でカメラの写真で確認したらヒガンフグだった。




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冬は河豚の季節だ。
大好物である。
トラ河豚ではないが、横浜では東京湾でとれた新鮮な河豚を割と大衆料金で食べさせる店は多い。
その場合の河豚は、ショウサイ、アカメ、そしてこのヒガンなどが代表格だ。
チェーン店の水槽で泳ぐトラ河豚なんかよりも、はるかに美味い。
もちろん、卵巣などには毒があり、食べると彼岸行きということが、名前の由来か?

ただ、関東では、ヒガンフグをアカメフグと呼ぶらしく、アカメフグという種が同じ東京湾にいるだけに、ややこしい。
相模湾の葉山でもアカメフグは多いが、もちろんヒガンフグとはまったく別種である。
このような話は魚に多く、「オニカサゴ」の項を参照されたい。

このフグ、大きさは30cm前後になるとものの本にはあるが、掛け値なしにでかかった。
日本各地の岩場や藻場に棲息する。
僕は初めて見たが、彼岸の頃に産卵のため浅場に寄るらしい。
特徴は皮膚にあるブツブツと黒の斑点とか。
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by 1colorbeach | 2012-03-31 20:39 | 魚 (89)

アカエラミノウミウシ 又は… 葉山 権太郎岩沖

アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis (Baba,1930) 又は アカエラミノウミウシ属の一種 Sakuraeolis sp. 
葉山 権太郎岩沖

葉山の権太郎岩の沖、砂地に出るまでには大きな岩や小さな岩が続く。
その一つ一つを見て泳ぐのは楽しい。
ついているコケムシやカイメンが同じような岩でも、ウミウシが多い所と魚類が多い所があるなど、興味深い。



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たまに、珍しいウミウシが付いている岩がある。
そこをジーッと見ていたら、何やらミノウミウシらしきものが移動中だ。
大きさは8mmくらいか。
ご存じ眼がよく見えないので写真を撮って後で確認かと。



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どうもアカエラミノウミウシのようだがちと違うような気もする。
白い点々や形状はそのものだ。
ただ、食べ物の違いなのか、ミノがアカエラの色っぽくない。
変っていてなかなか綺麗だ。



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これは近くを歩いていた正調アカエラミノウミウシ。
ちょっと怒っているが。
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by 1colorbeach | 2012-03-24 09:30 | ウミウシ (58)

トゲトサカテッポウエビ 葉山・権太郎岩沖 Synalpbeus neomeris

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葉山の沖の砂地。
いろんな種類のトゲトサカが咲き乱れる。
その中には様々な生き物が潜んでいる。
トサカによっては毎年付く生き物が違っていてそれなりに楽しい。
これはビロードトゲトサカと思われるトサカについているトゲトサカテッポウエビのメスである。

半透明のピュアなエビだ。
普通テッポウエビというと、ハゼとの共生で砂地に棲んでいたり、転石の下に棲んでいたりするものを浮かべるが、こんなところにも潜んでいるとは。



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これはオスだ。
蚤やアンコウやフクロムシ同様、オスは小さい。
ヒトのオスは立場的にはもっと小さい。
哀れなオスどもである。
同じトサカの幹に小さな穴を空けて雌雄で仲良く棲んでいるという。

偕老同穴という言葉がある。
夫婦共に老い同じ墓に葬られるという、最近はあまり聞かないが、夫婦仲の良さを例えた結婚式での祝辞の常套句だった。
実は、カイロウドウケツ(偕老同穴)とは六放海綿綱に属する海綿だ。
その網目の胃腔などの中にドウケツエビ(Spongicola venusta  De Hahn)という小さなエビが雌雄で仲良く棲んでいることが常套句の語源らしい。
エビは外から入ってきたものだが、生長して出られなくなり一緒に棲まわざるを得なくなったというのが真相らしいが。



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by 1colorbeach | 2012-03-17 12:49 | 甲殻類 (61)

ナンヨウウミウシ  エリシア・トンプソンイ  沖縄本島 東海岸 安部地区 

昨年暮れに沖縄本島でセルフダイビングをしてきた。
とは言っても、毎日強い北風で砂辺や真栄田岬は入れないし、ゴリラチョップは満車だ。
で、風除けの新たなポイントを求め、北部の海沿いをレンタカーで駆け巡った。



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下調べをしてきた友人の感とカーナビを頼りに東海岸を北上する。
途中、農道のような轍のできた細い道に入り、中央の長く伸びた雑草をバリバリさせながら進むと、海岸に下りられそうな場所を見つけた。
その先でターンをしようとしたら崖崩れで行き止まりだった。
バックで戻り、道幅のあるところで車の向きを変えて器材のセッティング。
ここの陸で死んだら、多分2週間は死体は発見されないかも。
ここの海で死んだら、多分永遠に水死体は発見されないかも。
昼に食べたソーキそばが最後にならなくて良かった。



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車を止めたところから見た海。
対岸に見えるのは、普天間問題で脚光を浴びている名護市辺野古だ。
崖を下って海に出た。
三度ほどつまづいた。
白砂の美しい海岸だ。
僕らの前に足跡はない。
所々に根があり、下は砂地とガレ場のようだ。



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海に入ってみた。
しかし、水深は最大3m。
そんなんで、めったに死ぬわけがない。
遠くのリーフエッジまでずっとこの水深だろう。
沖に行ったが、ばかばかしくなって途中で引き返してきた。
で、まずはガレ場の石の下で見かけたのはこの子だった。
大きさは、4~5mmか。
初め、ヒロウミウシかと思った。
そんなのは沖縄にはいないか。
ナンヨウウミウシという名称のようだが、ちゃんとした和名なのかどうかは不明。
学名は、Marianina rosea (Pruvot - Fol, 1930)…。
実に綺麗なウミウシだ。




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これはエリシア・トンプソンイ…Elysia tompsoni Jansen,1993…というミドリガイの仲間。
和名はない。
外海に面した岩礁域の浅瀬に生息するらしい。
まさにここだ。
小野にいにいの「沖縄のウミウシ」によれば、「ゴクラクミドリガイの一種2」と掲載されているが、学名は後に彼に教わったものだ。
稀種とのこと。
これも極小で4~5mm・。

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これはニシキツバメガイ。
大瀬崎にもいる普通種。
綺麗なので好きだ。
10mmくらい。



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お昼ご飯は、ジューシーのおむすびとイカ入りのてんぷら。
まあ、炊き込みご飯とさつま揚げみたいなもんだな。
街道沿いの道の駅のようなところでおばちゃんが揚げていたけど、美味い。
これぞ沖縄冥利のダイビング。

今回は沖縄セルフツアーの一コマを紹介しました。
まだまだ出るぞ。
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by 1colorbeach | 2012-03-10 12:52 | 沖縄・奄美の生き物(3)

ニシキハゼ Pterogobius virgo (Temminck and Schlegel,1845 ).

葉山の沖には、ニシキハゼが多い。
岩と砂の境に穴を掘って巣を作っている。
人の姿を見ると出たり入ったりしながら様子を伺う。



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ご覧のとおりニシキを名乗るだけあって美しいハゼだ。
ヒレを立てて泳ぐ。
ヒレの蛍光ブルーも艶やかだ。
朱色の縦じまを縁取る蛍光ブルー。
刺青を入れたような顔。
宗教的な荘厳ささえ感じる。





画像
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しかし、顔のアップはオバQである。
何が、宗教的な荘厳さだ。
美しさとコミカルさ、好きなハゼだが、よく見るとそんなに品はないかもしれない。

この魚は、日本の南岸から九州・韓国南岸に分布する。
葉山では、だいたい水深14mくらいの岩礁交じりの砂地で見られる。
大きさは、だいたい15cm程度。
底生成物を捕食する。
幼魚のときは最初横じまで、成長するに従って縦じまに変る。
珍しいパターンだ。
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by 1colorbeach | 2012-03-08 23:24 | 魚 (89)

セノテヅルモヅル 2  葉山 権太郎岩沖

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昨日葉山の沖をのんびりと潜ってきた。
入ったのが、13:00を過ぎていたので、2本目を揚がったのは17:00近くだった。
昨日は今日と違って暖かく、機材を片付けながら見た夕暮れの海は油を流したような見事な夕凪だった。
こういう葉山もいい。



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で、しつこいがセノテヅルモヅル。
前回見つけたオオウミシダの根元に居ないではないか。
で、探した。
そしたら、沖側の岩の上で寝そべっているではないか。
移動するんである。
今更ながら動物だということを実感。

でも、よく見ると前回のとは違う個体だ。
白っぽい。
で、エビなどの甲殻類が潜んでいないかとちょいと絡んだ脚をほぐし始めてみた。
と、ブワーっと広がったのだ。
彼は嫌なんである。



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クモヒトデの体は、真ん中にある盤(ばん)とそこからニョキニョキ生えている5本の腕(わん)から成る。
写真の真ん中にあるのは、いわゆるテヅルモヅルの盤と呼ばれる本体部分だ。
グチャグチャはしているが、一応、ここから5本の腕が分岐しているのがわかる。
この盤の直径は50mmくらいか。

テヅルモヅルは、昼は岩陰などにいて、夜になると岩の上に出て、腕を振ってプランクトンを絡め取り口に運ぶそうな。
前の写真のような感じなのかな。
時には小魚も捕らえて食べるそうな。
確かに、こんなんだと魚も隠れ家かと安心して近寄るな。


揚がり際、そろそろ海の中も翳り始めていた。
岩の上やヤギを見るとクモヒトデの仲間がしきりに腕を振っている。
彼らの時間である。
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by 1colorbeach | 2012-03-04 20:21 | その他の葉山の海の生き物 (46)

テヅルモヅル …  セノテヅルモヅル (Astrocladus coniferus)  葉山・権太郎岩沖 

葉山常連のフリーの(美人?)イントラさんから、沖にテヅルモヅルがいるよ、と教わった。
居場所を聞いたのだが、彼女の表現があまりに的確過ぎるのと僕のナビが実にいい加減なことでついぞ見つからなかった。
ある日一人で、権太郎岩の沖を徹底的に探ってみた。
一度、伊豆の雲見で見つけたことがあるが、ホームでどうしても遭いたい生き物だったのだ。
葉山ではありえない話なのだが、そろそろデコが出そうになったときについに見つけた。



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セノテヅルモヅルだと思う。
ちょうどオオウミシダの根元にいた。
前衛生け花の根っ子というか、鉢植えの観葉植物を引っこ抜いた根っ子というかそんな感じだ。
テヅルモヅルは「手蔓藻蔓」とか「手蔓縺」とか書く。
「シッチャカメッチャカ」とか「踏んだり蹴ったり」とか「ナンジャモンジャ」とかに語感が似ている。
形態もそういう感じだ。
エビでも隠れていないかと触ってみたが、腕は硬くて折れそうなので止めた。
ところが、触った後に嫌そうに腕をビョーッと動かすのだ。
嫌なやつだ。




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これ、棘皮動物門クモヒトデ綱カワクモヒトデ目に属する。
ヒトデの仲間なのだ。
一応、腕は5本なのだが、それがシッチャカメッチャカに無数に枝分かれし(「20回以上に分岐する」と言うそうな。)、この触手でデトリタス(海の生き物の死骸や糞などの有機物粒子)などを捕食する。
セノテヅルモヅルは、この白っぽい顆粒のボツボツが特徴だ。
色彩や顆粒の数などにより、かつてはイボテヅルモヅルとかヒヨウモンテヅルモヅルとかいう亜種が分類されたこともあったらしいが、現在それらはセノテヅルモヅルの変異とされている。
相模湾以南の太平洋岸の潮下帯に多く分布しているとのことだが、葉山ではレア。
が、秋田県男鹿では普通種らしい。???
なお、オオウミシダも同じ棘皮動物なのだ。


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僕は「ヒトデガイドブック」(TBSブリタニカ)を愛読書としている。
これを眺めながら一杯飲むのが至高の楽しみなのだ。
変?
それはともかく、実は、この図鑑の「クモヒトデ類」を執筆しているのはなんと高校時代に生物を教わった教師だったのだ。
仇名は「ミトコン」(ミトコンドリア)だった。
変な先生だったが、なんとなく親しみがあった。
まさか、こんなのの研究をしていたとは…。
縁とは不思議である。
まだ、お元気なんだろうか。
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by 1colorbeach | 2012-03-01 23:53 | その他の葉山の海の生き物 (46)