イシダタミヤドカリ 本日の葉山 Dardanus crassimanus (H. Milne Edwards, 1836)

凄い台風が去って、やっと潜れることとなった。
多分、透視度は悪いだろうが、北風が吹くので海況は悪くないだろうと、出かけてみた。
森戸海岸の道路から見た海は凪、真名瀬のトイレから見た海は案の定ニゴニゴだった。
そして、芝崎の岸壁から見た海も濁っている。
権太郎岩に向かって泳ぎだし、潜行した。

岩はアチコチで割れているし、砂があったところにゴロタがあり、ゴロタがあったところは砂地になり、カイメンはブッ千切れている。
凄かったんだなあと今更ながら思う。

こういう中で、ガイドロープは、エントリー側は一部切れているが、今回の大波にもちゃんと耐えてつながっていた。
整備をしてくれる皆さんに感謝したい。
皆さんに尻を向けて寝ていたので反省している。

権太郎岩手前は、若干のウネリはあるものの4~5mは見えていた。
群れも、スズメダイ、ボラ、タナゴ、カタクチイワシなどソコソコ通り過ぎてくれる。
しかし、沖に向かえば向かうほど透視度は悪くなる。
僕がお気に入りのゴロタと砂場の混じった一帯は、1m。
こりゃひどい。
でも、そんな中で今日はこの子達をけっこう見かけた。



d0175710_0181591.jpg

イシダタミヤドカリ。
ちょうどこれは、狭くなった貝殻を背負っている上のヤツが、下のヤツの貝殻を奪おうとして喧嘩しているところのようだ。
手篭にしているようにも見えるが。
面白いのでしばらく眺めていた。

このヤドカリは、葉山では極々普通種。
サザエやボウシユウボラなどを背負う大型のヤドカリだ。
名前は、左の第2歩脚の前節が石畳のようになっていることから来ているらしい。

この状態の中、2本目も行ってしまった。
2本目は190度の根に行ったのだが、果たしてニゴニゴであった。
でも、暗くて静かでなかなか雰囲気のあるダイビングができたかなあと思っている。
濁りもまた良し。

d0175710_8201796.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-24 00:30 | 甲殻類 (61)

ヒトエカンザシ Serpula vermicularis

沖縄などと違って、葉山の海は彩が地味だ。
浅いところに珊瑚があるわけではなく、海草もたくさん生えている。
また、透視度の悪い濁っている日が多いため、特に葉山の海は暗いとも言われている。
一部を除いてだが、潜っている葉山のダイバーたちが暗いわけではない。

プリズムに通すと判るように太陽の光には様々な色が含まれている。
この光が海に入ると、波長の長い赤や黄などはまっすぐ海の水に吸収される。
従って、海の中でこれらの色は最初に失われる。
しかし、一度岩壁に強いライトの光を当てると、ステージの踊り子さんたちのように鮮やかにこれらの色が蘇ってくる。
踊り子さんに触ってはいけない。



1
d0175710_9415480.jpg

横幅10mm程度と小さいので、ライトで岩肌を撫ぜながら眼を皿のようにしてウミウシを探していると見つかることが多い。
暗い岩肌に人知れずポツンと咲いた可憐な花だ。
形状は、ちょうど彩り鮮やかな扇子を広げたよう。



2
d0175710_942531.jpg

しかし、これ、環形動物門多毛綱ケヤリムシ目カンザシゴカイ科に属するゴカイの仲間なのである。
石灰質で作った棲管という蓑虫の蓑みたいなものを岩などに固着させ、その中にいわゆるニョロニョロ虫の本体部分が棲んでいる。
きれいな扇子の部分は、鰓冠と言って、これで呼吸をするとともに餌となるプランクトンを捕らえる。



3
d0175710_9421687.jpg

写真下のほうの部分に、萎んだ朝顔の花のようなものが見える。
カンザシゴカイの仲間は、水流や光などの刺激を受けると、鰓冠を棲管の中に引っ込めるのだが、これは、そのときに鰓冠の蓋の役割をする殻蓋という。
車輪のようにカラフルで、キャンディを連想させる。
しかし、この中身がゴカイだとは…。

昔、キス釣りをしながら、昼飯のサンドイッチを食べていたのだが、夢中だったので間違って餌のゴカイの仲間であるアオイソメをつまんで食べてしまったことがある。

そんなのと間違うのか、と思うだろうがなんの海には魔物が潜んでいる。
そういうこともあるのだ。
で、ジャリっとした後に貝類の独特の香りと甘みが口に広がった。
しかし、生臭さも一緒に広がったので、+-ゼロ。
砂を洗って洗浄して、醤油をつけて食べたら、結構いけると思うが…。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-19 09:45 | その他の葉山の海の生き物 (46)

シマウシノシタ 葉山 砂地 Zebrias zebrinus (Temminck and Schlegel,1846 )

葉山の沖を潜った後、たいてい浅場の白い砂地で安全停止をしている。
ここ、大したものはいないが、綺麗だしお気に入りなので、サビハゼなどと戯れている。
ある日、ふと見ると砂の上に、縞々の舌平目がいるではないか。



d0175710_134480.jpg

シマウシノシタ。
フランス料理のムニエルなどで喜ばれるシタビラメの仲間である。
従って、一応食用とはされてはいるが、あまり美味しくはないという説と割りと美味しいという説がある。
僕はそもそもシタビラメの匂いがあまり好きではないので積極的に食べようとは思わない。
僕が過去に普通のシタビラメを食べたのは、2回くらいか。
最初は、食べたことがなかったので興味本位に。
二度目は、あの可愛いウズラの肉との選択だったので止むを得ずだった。
案外ウズラは美味いもんだと感心したのは、このずっと後のことだ。



d0175710_1345193.jpg

この魚、割りと普通種で、北海道南部から熱帯に至るまでの浅い海の砂地や砂泥地に幅広く生息している。
普段は、砂に潜っていて、夜になると活発に動き回り、底生動物などを捕食するらしい。 

この子の砂に潜る姿はなかなか美しい。
音もなく泳いで砂の上で鰭を揺らし、砂を掻き分けてハタハタハタッと潜る。
近づくと潜っている形跡もない。
実にお見事だ。
その辺りにそっと手を差し入れてみると驚いたようにヒラヒラと泳ぎだす。
面白いので、着底して砂に潜ると繰り返し遊んでいた。
彼にとってはいい迷惑だったと反省している安全停止時間は30分を超えていた。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-18 01:37 | 魚 (88)

ルリメイシガキスズメダイ 伊豆海洋公園(IOP) 一番 

数年ぶりにIOPで潜ってきた。
ここは、まだビギナーだった頃、ガンガン泳がされた海だ。
カメラを流したとか、二日酔いで海の中で吐いたとか(良い子は絶対にやってはいけません。)、サンカクでロストされたとか、ろくな思い出がない。
その頃、2番くらいからでも、片足フィンで楽に帰って来れたものだった。
要は、もう片っぽは足がつっていたからなのである。
今はすっかり匍匐(ほふく)ダイバーに成り下がってしまい、最初から最後まで底を這っている。
そのうち、海の中でも、寝たきりになる可能性が高い。



d0175710_2320978.jpg

この日の二本目、砂地から一番をゆっくり上った。
ちょうど一番の南側、仲間がクマノミなんぞ可愛く撮影していた時だった。
離れてフラフラしていたら、見慣れぬ幼魚がいたので、一応証拠写真を撮った。
ご覧の通り、愛がないので後方を向いている。

陸に揚がってから、知り合いのガイドさんとバッタリ遭って、「ルリメイシガキスズメダイが出ているらしいけど見つけた?」と聞かれた。
「そんな魚知らないでつ」と答えた。
一時いなくなって、IOP中のガイドたちが必死になって探していたらしい。

実は、IOP初登場みたいだ。
分布は、小笠原や沖縄以南で、向こうでも割と珍しい魚であるらしい。
目が瑠璃色の死滅回遊魚である。
家に帰って何気に調べてみたら、何とやる気なく撮った一枚だけのサンプル写真の正体であったのだ。
まじめに撮っておけば良かった。



d0175710_23202546.jpg

陸では、やけに人馴れしたタイワンリスと出遭った。
鎌倉や葉山などでよく見かけるが、東伊豆にも勢力を拡大していたのね。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-13 23:23 | 伊豆・伊豆諸島の生き物 (5)

シロオビコダマウサギ 葉山 権太楼岩沖 Prionovolva brevis (Sowerby, 1828)

砂地と小さな岩が散在する葉山の権太郎岩沖は、トサカがよく発達している。
潮通しが良いのだろう。
台風などの影響を受けやすいのか大きいものはそうないが、ナビゲーションに役立つし、景観として美しい。



画像
d0175710_11462473.jpg
そのトサカたちはウミウサギガイの仲間の絶好の棲み処となっている。
これは、シロオビコダマウサギ。
実に綺麗な外套膜だ。
赤の網目の強いタイプだ。
その真ん中からプチプチと突起が飛び出している。



画像
d0175710_11463585.jpg
これはもう少し白の部分が多いもの。
シロオビコダマウサギは、トサカに寄生していると言われているが、別の説もあるらしい。
彼女たちが切り落としたトサカの枝が再生し、トサカの分布を拡げる手助けをしているというものだ。
そうなると、餌も増えるし棲み処も増える。
なかなか賢い。



画像
d0175710_11464471.jpg
色や形に変異が多く、ちょっと見、別の貝かと思わせられたことも何度かある。
もともと老眼でもあるし。
これなどは、網目は細線になっている。
実に繊細な図柄で、かなり美しい。
シロオビコダマウサギが必ず付いているトサカがあって、一年中観ることができる。
葉山の沖に行くときは、必ずご挨拶をして定点的に観察をしているが時々個体が入れ替わっている。



画像
d0175710_11465490.jpg
これが貝殻。
薄桃色ベースに二本の白い帯が入る。
だからシロオビ。
これがベーシックなバターンだが、帯のないのもいる。
また、帯があっても、シロオビなので有段者ではない。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-11 11:48 | 貝 (40)

キイロウミコチョウ 葉山 権太郎岩左沖 Siphopteron flavum (Tokioka & Baba, 1964)

葉山の沖を泳いでいて、岩の上に黄色い粒がいた。
3mmか。
小さい。
老眼泣かせだ。
か弱い老人を泣かせてどうするってんだ!!!
しかし、色が色だけにすぐ分かった。


d0175710_2331875.jpg
キイロウミコチョウ。
実に優雅な姿をしている。
オシドリや首の先がちょん切れた白鳥のような、水鳥が水面に浮かぶ姿を想像させる。
しかし、小鳥(コチョウ)ではない。
これ、飛ばすと蝶のように舞い泳ぐ。
それこそ胡蝶なのだ。
頭楯目ウミコチョウ科に属するウミウシの仲間である。


d0175710_23311991.jpg
この子の特徴として、綺麗な黄色の体色とともに、黒いお尻のポッチがある。
なかなかこれセクシーである。
昔、キョンキョンが「渚のはいから人魚」っていう歌を歌っていた。
「キュートなヒップにズキンドキン!!!」ってヤツである。
キイロウミコチョウを見ると、海の中でこの曲がずっとリフレインしている。
写真を撮るときも出てくるので、手がズキンドキンとなってちゃんと撮れない。
減圧症ではない。






               
しかし、キョンキョンは可愛かったなあ。
「男の子って すこし悪い方がいいの」って歌詞を本気にしていきがっていたら、少しどころか本当の不良になってしまった。
ちなみに、今では小泉今日子と南野陽子の区別がつかない。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-08 23:39 | ウミウシ (57)

キノコギンチャク 葉山 権太郎岩沖 砂地 Anemonactis mazelii sensu Uchida

画像
d0175710_20514545.jpg
このイソギンチャクを初めて見た時に思ったことは、ドラエモンの手だった。
グーしか出せないあれである。
正しく、本体は砂の中に埋まっていてグーの触手だけを出していたのだ。
奇妙な生き物だ。
このイソギンチャク、触手は20本あるそうで、ご覧のとおり先端は頂球となっている。
外側の触手が長く内側は短い。
これは、権太郎岩左沖の水深11mにいた個体。


画像
d0175710_20515793.jpg
本州中部の水深10m付近の砂泥底に棲む。
葉山では割とあちこちで見ることができる。
これは、権太郎岩右沖水深17mにいた個体。
このように潜んでいて、通りかかったハゼなどを狙っているのだろうか。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-09-03 20:53 | 刺胞動物 (25)