ミナミハコブグ 幼魚 葉山 権太郎岩

ミナミハコフグの親は見たことはないが、このお子様は見たことがあるというダイバーは多いと思う。
それほど、アチコチに普通にいるということではなく、人気があるのだ。
黄色い体にはっきりとした黒斑、おちょぼ口に愛くるしい眼。
こりゃヴィジュアル的に人気があるわぁと思う。
どこのガイドさんも大抵これがいれば見せてくれる。

しかし、僕はそんなに興味がないので、海の中で「ああ、ミナミハコフグか…」ってな顔をすると、ガイドは不審そうな眼で僕を見る。
つい先日もそういうことが八幡野であったので、一枚だけ写真を撮ったが、愛があまりないのでブレブレだった。

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これは、葉山の水深10mの岩陰で見つけたミナミハコフグの幼魚。
岩の下を見ていたらヒラヒラと泳ぐ姿が目に付いた。
こんなブログをやっているので、一応写真を撮ることにした。
しかし、すぐに隠れちゃうし難しい。

この子は多分冬の葉山は越せない。
死滅回遊魚である。
愛がないといっても、そう思うと愛おしくなる。

ちなみに、「季節来遊魚」なんていう、死滅回遊魚を表す造語を使っているガイドやショップが多い。
「季節来遊魚」だと、「季節労働者」のように、そんじゃまた来年ね~と、春が来ると雪国に帰っていくみたいで、シックリこないんだが…。
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by 1colorbeach | 2011-08-28 20:06 | 魚 (89)

マルミカイガラカツギ 葉山 権太郎岩沖の砂地 /Porcellanopagurus nihonkaiensis Takeda, 1985

カイカムリとカイガラカツギというややこしい名前の甲殻類がいる。
単純に考えれば、被っているのと担いでいるのとの違いのように思えるが、普通甲殻類は、被るにしてもどこが頭で、担ぐにしてもどこが肩なのだか良く分からない。
結論から言えば、カイカムリはカニの仲間であり、カイガラカツギはヤドカリの仲間なのである。
しかし、カイカムリの多くは、貝殻ではなく海綿を被っていて、分かりにくさに拍車をかける。



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マルミカイガラカツギというホンヤドカリ科のヤドカリである。
普通のヤドカリのように巻貝でなく、一枚貝や二枚貝の方片を脚で支えて被る。
引っくり返すと丸見えなのである。
しかし、貝殻の下にジッと隠れていれば見つかることはないが。

日本にいるカイガラカツギは、これと沖縄などにいるチビカイガラカツギ、深海にいるザ・カイガラカツギだけなのだそうな。
甲類酒席研究員であるゴッド・アイズUさんが見つけた。
権太郎岩の沖の砂地にあるトサカの周辺でコシオリエビを探していたらいたのだそうだ。
おそらく、これも葉山初報告かなと思う。



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まずは右鋏脚が大きい。
間違いなくホンヤドカリ科だ。
体色は全体的に茶がかった薄黄土色。
歩脚に白い横縞がある。

マメに探せば結構見つかるかもしれない。
どことなくヌケていて可愛いヤドカリである。
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by 1colorbeach | 2011-08-26 22:37 | 甲殻類 (61)

アカヒトデ 産卵 葉山 権太郎岩浅瀬 Certonardoa semiregularis Müller et Troschel

僕の場合は、ほとんど泳がないダイビングである。
なぜならば、生き物観察が主目的であるため、たいていは底を這っているからだ。
匍匐前進。
"ぶどうぜんしん"ではない。
そういえば、中性浮力なんぞ、ここ10年まともにとったことがない。

しかし、たまに沖を泳ぎたいときもある。
毎晩酒を飲んで脂モノをたくさん食べご乱行をした週末である。
要は運動不足なのだ。
ついでに、生活習慣病予備軍なのだ。
飲みすぎたこの一週間を反省し、今日は一人でガンガン沖を泳いだ。
陸に揚がると雨が降っていて寒かったが。
心筋梗塞とか脳卒中とかにも気をつけなくてはいけない。
いつまでやれるか葉山のダイビング。



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で、浅場に戻ってきて安全停止がてら遊んでいたら、岩の上でアカヒトデがヘンテコリンなカッコをしている。
イナバウアーの練習に失敗したのだろうか。
古いか。
実は、僕が遊んで一本一本腕を折り曲げ、アカヒトデのオブジェを作ったのだった。
上手いでしょう。
嘘である。



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これは、アカヒトデの産卵ポーズだ。
海底にベタッとしていて産むのではなく、体を突っ張って立って、絞るようにして卵を水中に放つ。
息んでいるのだろうか。
体色と同様、オレンジ色の小さな粒の卵が舞う。

いつもは、それこそあちこちに落ちているアカヒトデ。
だれも見向きもしない。
しかし、こんなに一生懸命子孫を残そうとしている。
卵が漂うのを見て、しばし感動して見とれてしまった。。
あちこちの岩の上にアカヒトデが集まっていたので、まだしばらくはこの光景が見られるかもしれない。



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アカヒトデは、アワビなどを捕食するため嫌われる。
時々、瘤のある生体がいるが、アカヒトデヤドリニナというマニアックな貝が寄生したものだ。
いつも探しているのだが、まだお目にかかっていない。
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by 1colorbeach | 2011-08-21 23:01 | その他の葉山の海の生き物 (46)

イバラウミウシ 葉山 権太郎岩沖 Okenia barnardi Baba, 1937

友人と権太郎岩の沖で潜って生き物探しをしていた。
水深は16m。
濁っていて、4mも離れるとお互いが見えない。
ベルで彼が僕を呼ぶ。
ご飯だぞー、と聞こえるのは腹が減っていたせいか。
彼のほうに移動する。
見ると、ミノウミウシ系の小さいのを見つけたようだ。
彼が写真を撮っている間暇なので、その周りを探していたらこれがいた。



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イバラウミウシ。
茨の道も何のその、ってたどり着いたら、何だ、イバラウミウシか。
ってほど、葉山でよく見られるウミウシでもない。
珍しい。
大きさは4mmか。
ゴミか→ん?生き物か?→ルーペ出す→見る→もっとよく見る→ウミウシらしい…→これもミノウミウシ系?→良く分からないので写真を撮る→後で確認すりゃいいや。
という水深16mでの窒素でバカになった頭で考えた結果であった。
老眼にしては良くやった。


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これは、伊豆大島で撮ったもっと大人のイバラウミウシ。
大きさは、8mmくらいか。
一見ミノウミウシ系と思えるボンボリみたいなのが特徴だ。
小さいうちはこのボンボリが白くてきれいだが、このくらいだと茶色形になるんだねぇ。
でも、茶色ベースに白い粉雪のような体表は美しい。

シックで玄人受けのウミウシである。
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by 1colorbeach | 2011-08-18 23:23 | ウミウシ (58)

スナモグリ 葉山 権太楼岩 浅場 Nihonotrypaea petalura (Stimpson, 1860)

葉山の権太郎岩手前の水深1~5mのゴロタ場は楽しい。
ウミウシ、甲殻類や環形動物など、必ず何かしら発見がある。
難を言えば、ウネリや波の影響を受けやすいので、写真を撮るときに体が安定しないことと酔っ払うことである。
安上がりではある。
最近、石を両足ではさんで体を固定して写真を撮っているが、撮り終って足元を見たら、ウツボを踏み潰していたことがある。
もっと環境に優しくしなくてはいけない。


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ズバリ!!! ザ・スナモグリである。
石をめくるとあわてて砂に潜ろうとしていた。
北海道から九州までの、転石の下の砂の中に生息している。
エビに似ているが、異尾下目に属するヤドカリに近い甲殻類だ。
体長は5cmくらいか。

実は、スナモグリの仲間の多くは、干潟や砂地に生息している。
しかし、このザ・スナモグリは、転石のある浅場に生息するという点で、この仲間としては、かなり特殊らしい。
だから、日頃同定をお願いしているスナモグリ大好きの甲殻類(甲類ではない。)研究の主席(酒席ではない。)研究員であるUさんでさえ、ご覧になったことがなかったという代物だ。


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体は透明感があり、片方のはさみ足が大きい。
ピンク色に染まった内臓は、繁殖期の卵巣の特徴らしい。
柔らかい殻をしており、他の甲殻類に比べると繊細だ。
この殻の柔らかさから、鯛釣りなどの絶好の餌となる。
食い込みが良いのだろう。
実に美しい生き物であるが、一方、確かに美味しい生き物でもあるのだ。
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by 1colorbeach | 2011-08-13 22:43 | 甲殻類 (61)

オニイソメ 葉山 浅瀬 Eunice aphroditois (Pallas) 

初めてこの生き物を見たとき、海の中で思わずゲッと叫んでしまった。
レギュレーターは飛び、こんなのが接している海水と同じ海水を飲んでしまった。
ひょっとすると、精が付くかもしれない。
子供の頃はスカートめくりで、大人になったら海の中の石めくりを趣味としている僕としては、自ずと出会う機会が多い生き物である。
そう、転石の下に穴を掘って潜んでおり、葉山では普通にいる。
しかも、でかいのだ。



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ご覧のとおりウミムカデという。
嘘である。
釣り餌などに使われるイソメと属を同じくする環形動物でオニイソメという。
普通のイソメも釣り針に付けようとすると必死で抵抗する。
その時、噛み付かれるとそれなりに痛い。
しかし、普通のイソメだったらせいぜい長さ10cmなのだが、これは太い上に70cmはある。
ちなみに、2009年に長さ3mのオニイソメが和歌山県白浜で採取された記録がある。

大きな顎を持ち、咬まれたら毒はないがかなり痛いそうだ。
こんなのに咬まれるほど近くに寄らなくても良いのにと思う。
と言いつつも、僕はこいつを見つけると指し棒でクルンクルン巻いては、海の中で蛇使いごっこをする。
同行者は男であっても、キャーキャー逃げ回る。
女の子は、AEDが必要となることもある。
良い子は真似をしないでください。



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一応全体はこんな感じ。
まだ末端は穴の中に入っている。
最初、洗濯機のホースかと思った。
ちょっと形はグロだが、よく見ると、茶色だの紫だのがキラキラしていて色合いは美しい。
和名はオニイソメだが、属名のEuniceとは元々はギリシャ語で、ギリシャ神話に出てくるネーレーイデスと呼ばれる海のニンフの一人だそうである。
この文化の違いはどこから来るのか…。
世界の暖海に分布しているようで、日本では本州中部以南に生息している。
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by 1colorbeach | 2011-08-10 23:12 | その他の葉山の海の生き物 (46)

コロダイ 葉山 権太郎岩右沖 Diagramma pictum (Thunberg,1793 )

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沖の深場を泳いでいると、ホンソメワケベラがヒラヒラしているのを見つけた。
彼らは、魚の皮膚に付いた寄生虫などを掃除してくれるクリーナーである。
魚の寄生虫は、ホンソメワケベラにとってはご馳走なのだ。
見るとその先にコロダイがいた。
コロダイをターゲットにクリーニングしているのだ。



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葉山ではコロダイの幼魚はよく見かける。
ちょうど夏から秋にかけてだろうか。
黄色地に黒い二本の縦縞の魚が、砂地の転石などの所をヒラヒラと泳ぐというより舞っている。
が、これは少し成長して、ちょうど青年くらいになったものだ。
黄色地はすっかりなくなっていて、親にかなり近くなっている。
魚の世界にありがちな親と子供がまったく違うパターンなのだ。
20cmくらいで、今年はこのサイズを良く見かける。

このコロダイ、関西方面では投げ釣りの対象魚となっている。
引きが強く、70cmにもなる大物が釣れるという。
食味も良く、一度釣って調理して食べてみたい魚でもある。



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コロダイの幼魚。
残念なことに、また、阪神タイガーズ模様であるのだ。
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by 1colorbeach | 2011-08-06 11:08 | 魚 (89)