オニカサゴ 葉山 権太郎岩 Scorpaenopsis cirrhosa  (Thunberg,1880 ) 

魚の名前というのは、土地や呼ぶ人の職業や趣味の違いによってそれぞれ異なる。

アナハゼのオスは、ご立派な生殖器を丸出しにしているということで、広島などではチンポダシと呼ばれている。
アナハゼという標準和名も、チンポダシと比較するとそれなりにきわどい。
伊東の漁師は、アイゴ(稚魚の塩漬けはスクガラス)のことを、磯臭さがあるせいか、ネションベンと呼んでいる。
初めから下ネタ系で申し訳ない。



d0175710_1754238.jpg

オニカサゴである。
ちゃんとした標準和名で、ダイバーは普通そう呼んでいる。

しかし、釣り人がオニカサゴと呼ぶと、まったく別の魚のことを指す。
新聞の釣り欄にも、堂々とオニカサゴと載っている。
水深150mより深いところに棲む赤いトゲトゲのいかにも痛そうな魚で、鍋などにするととても美味しい。
正式にはイズカサゴという。
混乱に拍車をかけるがオコゼと呼ばれることもある。

で、この正式なオニカサゴは、本州中部以南の浅海の岩礁域に生息する。
これは、葉山のゴロタ石の中にある水深12mの大きな根で見つけた。
体色は、棲んでいるところや水深によって異なるが、頭部や側線にあるフサフサの皮弁が大きな特徴だ。
たまさか、カイメンの上に乗っているため綺麗な体色をしているが、普段はもっと汚いし、見つけにくい。
汚い上、このいかつい姿から鬼なのか。




d0175710_17544419.jpg

顔のアップ。
オメメぱっちりで、それなりに結構可愛い鬼だ。

しかし、この魚の棘には、毒がある。
潜っていて、何気に岩の上に乗ってウミウシの写真を撮ろうとした。
しかし、ふと見ると膝の横にこいつがジッとしている。
危なかった。
いつだったか、たまたま岩の上に手を置いた。
オニカサゴの頭だった。
その時は心臓が止まるかと思うほどで、レギュをフッ飛ばした。
相手も相当ぶったまげたらしく、泳いで逃げて行った。
鬼が泳ぐのを初めて見た。

こいつも結構美味しいらしい。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-29 18:03 | 魚 (89)

アメフラシ

春の磯で見られる生き物の代表格はアメフラシ。
沢山見られるときは、何十個体で連結交接をしている。
アメフラシの鎖。
卵は、お湯を入れた後のチキンラーメンの麺と瓜二つ。
何も知らない友人が、磯には何でインスタントラーメンがアチコチに捨ててあるのか、と不思議そうに言ったことを覚えている。
チキンラーメンのない時代に名前をつけたのだろう、通称はウミソーメンあるいはウミゾーメンという。
色は白くなく黄色っぽいのだが。

この子は、まだお子様。



d0175710_1925895.jpg

日本では牛だが、海外ではウサギに例えるところもあるそうな。
山陰では、これを食用にする地域があって、昭和天皇も食されたとか。
ただ、アメフラシが食べている海草の中で毒素のあるものがあるので、生半可に食べない方がいいとは言われている。
何?毒がなくても食べない?
昭和天皇の大いなる好奇心、科学者として素晴らしい方であると思う。




d0175710_1925237.jpg

ちょっと、気の利いた卓上ランプのようだ。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-23 19:27 | ウミウシ (58)

カクレエビ亜科の一種  Pontoniinae sp. 大瀬崎 湾内右

d0175710_22113877.jpg

大瀬崎にヤドカリに付いているイソギンチャクにさらに付いているエビがいるというので、かわちゃんに案内をしてもらった。
湾内の砂地だ。
ソメンヤドカリに付いたイソギンチャクにいた。
しかし、広い砂地の一箇所にずっと定着しているヤドカリも凄い驚き。


d0175710_22102113.jpg

一応、一個体の写真だが、もう一個体は隠れてしまい多分雌雄か。
赤と白の対照がとても綺麗だ。
顔はちょっとバルタン星人だが。

分類学的にはまだ位置づけがはっきりしていないらしい。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-19 22:12 | 伊豆・伊豆諸島の生き物 (5)

トウヨウコシオリエビ 葉山・権太郎岩 Galathea orientalis  (Stimpson,1858)

エビとつくがエビではない。
ホセ・カレーラスといってもカレーライスではないようなものだ。
言い尽くされた悪い冗談で、ファンにはすまなかった。
カニのようだがカニでもない。
大麒麟といってもキリンビールの大生ではないようなものだ。
ファンだった人にはすまなかった。


画像
d0175710_1424299.jpg

十脚目異尾下目コシオリエビ科コシオリエビ属に属する小型の甲殻類で、トウヨウコシオリエビという。
エビとつくがヤドカリの仲間だ。
大きさは10mmに満たない。
葉山の浅場のゴロタ場で石めくりをしていると、石の下に潜り込もうとする生き物がいる。
良く目を懲らして見ると長い腕を持ったエビのようだ。
かなり簡単に見つかるし数は多い。
しかし、小さい上、ものすごいスピードで逃げるため、なかなかその実態はつかめない。
たまたま、逃げ場を失って僕のグラブの上に立ちすくしていたのがいて、それがこの子だ。
この縦の白いラインは特徴的だ。



画像
d0175710_142553.jpg

これは、別の場所で見つけたもの。
白のラインはないし、鋏脚が短い。
別種? お子様?
ご覧のとおり。甲殻類というよりも、蜘蛛の仲間のような風貌をしている。
セミにも似ている。
尻尾というかお腹の部分は体の舌に巻かれていて上からでは見えない。
長い細い触角を持ち、鋏脚以外の脚は3対しかない。
しかし、よく見ると3対目の脚の上に、退化したような4脚目の脚があるのに気付いただろうか。



画像
d0175710_1431419.jpg

この角度から見ると、やはりクモやセミではないか。
石の下以外にも、トサカ類などについていることもある。
ちょっとマニアックだが、愛らしい生き物である。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-17 14:10 | 甲殻類 (61)

アヤメケボリ 葉山 権太郎岩左沖 Primovula(Crenavolva)trailli (A.Adams,1855)

d0175710_1514135.jpg

普段あまり行かない根の棚を泳いでいたら、ヤギを見つけた。
ホソエダアカヤギかな。
よく見るとそこに付いてる付いてる。
アヤメケボリである。
数個体付いていた。
これもしっかりとウミウサギの仲間だ。
葉山も探すといるなあ、とちょっと感激。
ちなみに、長さ(殻高)10mmくらい。


d0175710_152468.jpg

貝殻は全体的に透けている。
外套膜を見た外見上の特徴としては、
赤黒い斑点。
そして、白い小さなポツポツ…、これ一応突起物なのである。
最後に、白いストローというか綿屑というか、突起。


d0175710_1522119.jpg

アヤメケボリが付いていたヤギにあった卵らしきもの。
アヤメケボリのものか、なんの卵かは分からない。
非常に変っている。
お正月用の、「寿」などの図柄を巻き込んだ蒲鉾みたいだ。

色々とこの周辺を探したが、アヤメケボリはここにしか付いていなかった。
どうやってここ一点に集まってくるのだろう。
本当に不思議だ。


d0175710_1523662.jpg

この貝は非常に変異が著しいらしい。
分類的にはかなり混乱している種であるようだ。
分布は房総半島以南。

殻の彩りは色彩変異に富むが、ご覧の通り、形も紡錘形だし貝殻は実に美しい彩りだ。
最近は潜るたびに、必ずこの貝が元気かどうか確認している。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-09 15:06 | 貝 (40)

サクラミノウミウシ 2 葉山・権太郎岩 Sakuraeolis sakuracea (Hirano, 1999)

一ヶ月ぶりのダイビングだ。
3月11日の大地震と花粉症の影響で海に入っていなかった。
そういえば、確かにこの時期はそうでなくても毎年休眠中だった。

海に入ると春濁りだ。
ウネリもある。
さらに、浅場はホンダワラの物凄いジャングルで暗いし水中拘束必至だ。
めげずに権太郎岩を一周する。



d0175710_2257197.jpg

陸の桜がやっと咲き出した。
海の桜も遅ればせながら咲き出した。
今日嬉しかったのは、このサクラミノウミウシ。
毎年現れるところにちゃんといてくれた。
体長10mmの可愛いやつだ。
すでにこのウミウシは紹介しているが、やはり時期のものははずせない。

被災地にも早く本当の春が訪れて欲しいなぁと思う。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-03 22:58 | ウミウシ (58)

コクチフサカサゴ 葉山権太郎岩 Scorpaena miostoma Günther,1880.

葉山では、だいたい10m以深で見かけ、それより浅いところでは見ない。
海底の岩やカイメンなどの上や側にジッとしている魚である。
ジッとしていて餌の来るのを待っているのだろうか。
ちょっと岩に手を乗せようとしたら、この魚がいてギョッとしたことが何度もある。
泳いでいるのはいたずらしない限り見たことがない。



d0175710_21555560.jpg

この手のカサゴは総じてオニカサゴなどと呼ばれる。
赤くて棘と皮弁(皮膚の部分が暖簾みたいにビラビラしたもの)で賑やかだからか。
鰭に毒があるという説があり、刺されるとかなり痛いらしい。
大きさは大体20cmくらい。

これとは別にフサカサゴというのがいるらしいが、認識して見たことはない。
口の大きさで判別しているらしいのだ。
口の大きさで種が違うとなると、人間だって口のでかいのやら鼻のでかいのやらいるではないか、と突っ込みたくなる。
まあ、他にもあるのかもしれないけど。
横から見ると、コクチフサカサゴは、口の後の端が目の後の端よりも口の先に近いところにあるらしい。
で、小口。



d0175710_21561327.jpg

前の方から見たところ。
頭から口に被っている皮弁などの色が、赤くない。
ラッセル・クロウが「グラディエーター」で戦いのときに被っていた防護面を思い出す。
なかなか勇ましい。
でも、目がクリンとして愛らしいともいえる。



d0175710_21565316.jpg

これは、白っぽいカイメンに寄り添っているところ。
色も、全体として白っぽい。
特に背びれの色合いが見事だ。

この魚、刺身に煮付けになかなか美味しいらしい。
しかし、カサゴほどまとまって漁獲があるわけではない。
佐島の漁港で、他の雑魚と一緒にトロ箱に入っているのは見たことがあるが、ちゃんと一箱で売られていたという記憶はない。
だから小口取引…なんちゃって。
お後がよろしいようで。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-04-02 21:58 | 魚 (89)