ゴンズイ 葉山 権太郎岩 Plotosus lineatus Thunberg, 1787

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海に棲むナマズの仲間である。
ゴンズイ。
特徴は、茶褐色の体に頭から尾にかけての黄色いラインが4本。
そして、ヒゲ。
フェロモンの影響で、特に幼魚の時代はこのような群れを作り、”ゴンズイ玉”と呼ばれる。
この魚、背鰭と胸鰭に毒があり、刺されるとかなり痛むそうである。
しかも、死んでも毒はしばらく効力があるそうで、うかつに堤防などに捨てておくと他の人が誤って触ったり踏んだりして大怪我をする危険性もある。

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学生時代、西伊豆で夜の投げ釣りをした。
この時、ゴンズイの入れ食いで、それも30cm近いでかいのばかりだった。
こんなんばっかだ、と刺されないように針を外してリリースした。
宿の親父さんに話したら、味噌汁で食べたら美味いので持って来れば良かったのにと言われた。

昨年も、真鶴の漁港で、おじいさんの漁師が器用に棘を外しながらゴンズイを捌いているのを見た。
煮て食べると脂があって美味いよぉと言っていた。
惜しいことをした。

先週、葉山の沖の大きな岩の下を覗いたら、物凄い数のゴンズイに遭遇した。
数百はいたと思う。
それも、どれも20cmを越えるような大物がライトに照らされウジャウジヤと泳いでいた。
生唾が出たのは言うまでもない。

なお、この魚は、クリーニングをするので、たまにダイバーにスーッと寄ってくることがある。
でかいと、それはそれは怖い。
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by 1colorbeach | 2011-02-27 19:56 | 魚 (89)

ゴシキミノウミウシ 葉山 権太郎岩 Cuthona diversicolor (Baba, 1975).

葉山は権太郎岩の右沖を廻ってきた。
鮫島には今日もメジナが群れていた。
沖から戻り、権太郎岩の岸寄り水深5mの所で安全停止を行う。
ダイコンを見ると大抵6~70分も潜っている。
これで、遊びながら岸まで戻ってエグジットすると一本7~80分のダイビングとなる。
寒いのによくやる。
浅場は水も冷たく、オシッコの我慢がいつも大変なことになっている。

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この安全停止の時間というのは暇なのだ。
しかも、オシッコまで我慢しなくてはならない。
だから、水深5mのところをウロウロしながら壁などを見て歩き気を紛らわす。
で、目の前にあったシロガヤにこれが付いていた。
ゴシキミノウミウシのペアである。

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僕は日本人の普通のこの年齢の者としては当然のことながら老眼である。
従って、まず最初はゴミだと思った。
次に、ミドリガイの仲間かと思った。
そしてルーペを出す。
うん、ゴシキミノウミウシだ。
大きさは8mm程度か。

このルーペは優れものなのだ。
同じく老眼の座間味のウミウシガイドさんから紹介されて、こちらに帰った来てから100均をあちこち探し回った。
そしたら、友人が東神奈川の100均で見つけてきてくれた。
しかし、今は置いていないそうである。
大事にはしているが、物をすぐに無くすか壊すかのタイプである。
だから、100均に行く度に、予備用にこのルーペを探しているが、未だ見つからない。
これじゃないとダメなのだ。
見つけたら、絶対に買い占めてやろうかと。

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このウミウシ、名前に違わない。
ミノの緑・深緑と先端の黄色と水色の色輪、ダークオレンジの触角と白の班紋と、よく見れば五色どころか六色以上ある。
ちょっと見は非常に地味なのだが、よく見ると美しい。
ウネリなどの影響がある場所のシロガヤに付いていたので、大きくそよぐ。
餌も食わなきゃならないし交接もしなくちゃならないしで、こんなところで落ち着かないだろうと同情する。
僕にとっても、被写体が動くため、なかなかピントが合わず苦労した。
でも、根気よりもオシッコとの戦いだった。
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by 1colorbeach | 2011-02-24 23:12 | ウミウシ (58)

クチグロキヌタ 葉山・権太郎岩 Cypraea onyx (Linnaeus, 1758) 

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今日、葉山の潮通しの良い水路でタカラガイを見つけた。
水深は8m。
タカラガイの仲間はこのように外套膜で貝を覆っている。
シックで実にきれいな外套膜だ。
この外套膜は初めて見たので感激した。

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ちょっと触って、外套膜を引っ込めて見た。
貝殻もシックだ。
海の中では、タルダカラのお子様かな?と思っていた。
家に帰って図鑑で調べると、どうもクチグロキヌタ。
引っくり返すと貝殻の口のある裏側の色が真っ黒なのでクチグロか。
ちゃんと海の中で確認してくればよかった。
この辺のところが詰めを欠いている。
まだまだ修行不足か。

クチグロっていうと、ついイシダイの老成魚を連想するが、これはクチグロキヌタの若者のようだ。

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砂泥質を好むらしいが、これは荒い砂地の石の下にいた。
千葉以南に生息しているらしいが、確かに生体はなかなかお目にかかるものではないらしい。
また、海岸で貝殻を見つけることは多いそうだが、綺麗な貝殻を拾うことは難しいそうだ。
マニアの間では、数千円で取引されているとのこと。
人気のある貝である。
生きたピカピカのタカラガイを見られるのはやはりダイバー冥利だな。
って、いうほどタカラガイはダイバーには人気がないとは思うが、僕は好き。
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by 1colorbeach | 2011-02-20 23:41 | 貝 (40)

ケヤリムシ 

Sabellastarte japonica (Marenzeller) 葉山 権太郎岩


干潮時のタイドプールなどで、筒の中から、打ち上げられた花火のようにそよいでいるものを見かけることがある。
これがケヤリムシだ。
環形動物門多毛綱ケヤリムシ目ケヤリムシ科に属する生き物で、いわゆるゴカイの仲間である。

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花火の付いているワサビのような黄色っぽい筒は、泥などを分泌物で固めて作った棲管と呼ばれ、この中に本体のゴカイが潜んでいる。
そのゴカイの頭についていて筒から顔を出している大玉花火は、鰓冠と呼ばれる触手で、海中のプランクトンを摂取したり呼吸をしたりするものだ。
近づいたり光が当たったりすると、アッという間にこの鰓冠を棲管の中に引っ込めてしまう。
ケヤリムシという名前の由来は、この花火を大名行列の先頭を行く毛槍に準えているところからきている。

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僕はこのケヤリムシの仲間が大好きだ。
やはり綺麗なものはいい。
汚いものほど綺麗なものを求めているわけではない。

海の中で、ケヤリムシを見つけると必ず挨拶代わりに写真を撮る。
が、最近は、義務的で愛がないと反省している。
美人は慣れるというからなあ。

いつか海の中に鋏を持っていって、この棲管を切り裂いて、中のゴカイとご対面したいと思っている。
美しい思い出は美しいままにしておけ、という善意の声が聞こえてくるが、いつまでこの衝動に耐えられるだろうか。

その時は、“自然保護派ダイバーさん”許して。

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by 1colorbeach | 2011-02-18 22:24 | その他の葉山の海の生き物 (46)

アオサハギ

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今朝6時に起きた。
野ざらしの駐車場ゆえに、車はバリバリだった。
昨日の雪というかミゾレというか雨というか、そんなのが一緒くたになって凍ってしまったのだ。
エンジンを温めて葉山に向かう。
この寒いのに、物好きというか何というか…やはり物好きだ。
でも、葉山の海岸から見る富士山が綺麗だ。

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江ノ島から丹沢もくっきりと見えた。
ダイビングをしに来た訳だが、これだけでも十分来たかいがあったかも。
しかし、案の定、葉山の海岸道路にはやはり「物好き」ないつもの常連さんたちが集まっていた。

沖に行った方はヒラメの捕食やカスザメを見てきたらしい。
僕はのんびりと権太郎岩周りだ。
ウネリの中を、ドト・ラケモサやミレニアムマツカサウミウシなどの葉山ならでは変なウミウシを見てきた。

そして、今日のヒットは、なんと浅場で見つけたヒメキンチャクガニ。
挟み脚に「カニハサミイソギンチャク」を挟んでいて、敵が来るとこれを振りかざして身を守るという。
1cm足らずの小さなカニなのでどれだけの効果があるのか疑問だが、会えて嬉しかった。
式根島で一度見たことがあったが葉山では初めてだ。
ここでは、多分超レアモノ。
自慢げに画像を載せていないのは、うねりがひどく写真がブレブレだったためだ。
残念だけど、また、出会うこともあるだろう。

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アオサハギが可愛かった。
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by 1colorbeach | 2011-02-13 18:41 | 魚 (89)

ムラサキハナギンチャク

葉山 権太郎岩沖砂地 Ceriantbus filiformis.

葉山の沖の砂地を泳ぐ。
透視度の良い時は、キスやヒラメなどを見つけながら白い静寂な世界が楽しめる。
しかし、透視度が悪い時は暗い単調な砂地が続くと、ちょっと嫌な気持ちになる。
人によってはパニックの前兆なので気をつけないといけない。

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そういう時に、何か生き物に出会うと、嫌な気持ちは吹っ飛ぶ。
精神力軟弱ダイバーのオアシスとなるのはコレだ。
暗い砂地にボァ~っと幽玄な姿を現す。
ムラサキハナギンチャクである。
水深17mで出会った個体だ。

この生き物は非常に色彩変異が激しい。
茶色っぽかったり黄緑や白いものまでいる。
ちなみに、この生き物はわが国の特産種で、本州中部以南に分布する。
棲管の下は、ホウキムシや甲殻類の格好の住処となっている。
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by 1colorbeach | 2011-02-12 21:13 | 刺胞動物 (25)

セスジミノウミウシ 

葉山・権太郎岩 Flabellina rubrolineate (O'Donoghue, 1929).

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とても綺麗なウミウシである。
藤色ベースに触角やミノなどの先の紫色。
緑色した水の葉山の沖でひときわ目立つ。
葉山では、沖の砂地か周辺の岩場でよく見かける。

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このウミウシは、ご覧の通り、背中に紫色のラインが入る。
これをして、セスジということなのか。

大瀬崎辺りでは、海老茶系のセスジミノもいて、新種?と思わせるような色彩変異がある。

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これは、まだお子様。
ミノの数が少ないんだなあ、と感心してしまった。
大きさは、8mm程度。

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岩の上をセスジミノウミウシが歩いていた。
どこに行くのかと思っていたら、その先にはもう一個体が樹枝状のカイメンにたかっていた。
目指すは交接の相手である。
必死に近づいていく。
そして、辿り着いた。
しかし、

そこじゃ、ちょっとしにくいんじゃないんかと…。
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by 1colorbeach | 2011-02-09 22:05 | ウミウシ (58)

ウイゴンベ 

葉山 権太郎岩左 Cyprinocirrhites polyactis (Bleeker,1875 )

葉山ではこれもレア物である。
ウイゴンベという。
岩の上やコーラルなどにチョコンと座しているオキゴンベやクダゴンベなどの仲間である。
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ゴンベの仲間は通常そんなに遊泳力がない。
しかし、この子達は、他のゴンベと違う。
ベラなどに混ざってペアで泳いでいたので、最初はハナダイの仲間かなと思ったのだが、近くに寄って見ると驚きのウイゴンベだ。

ゴンベとしてはわりと品が良く、尾がツバメのそれのように深く切れ込んでいる。
警戒心が強く、泳ぎが速くてなかなか写真が撮れない。
追いかけたり先回りしたりと、さっきからずっと僕は同じところをグルグルと回っていた。
他に誰もダイバーがいなくて良かった。
そして、着底した瞬間にカメラを向けた。

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アップにすると、やはりさすがゴンベ。
背鰭の先端のピラピラは、この種の特徴だ。
色彩変異はあるが、水中ではこれはかなり白っぽく見えた。
本州中部以南に生息するが、葉山では稀。
名前の由来は発見者の宇井縫蔵さんの苗字を取ったとのことである。
宇井さんは、明治の方で、教師をする傍ら植物や魚類の蒐集・研究をされていたらしい。
博物学者の南方熊楠とは親交が厚かったようだ。
こんなところに、熊楠とウイゴンベとの縁があっただなんて。

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これがペアの片割れ。
背筋が白い。
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by 1colorbeach | 2011-02-08 22:06 | 魚 (89)

イセエビ 

葉山権太郎岩 Panulirus japonicus


イセエビだ。
でも、書くとするなら「伊勢海老」の方がお正月みたいだし豪華で好きなのだが。

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岩の隙間に潜んでいる。
普段は夜行性。
ここは、権太郎岩の水深3mだ。
いつ来ても、大抵ここには数尾が必ず潜んでいる。
うーん、誰もこんな浅いところにイセエビがゴロゴロといるとは思わないだろうな。
葉山にはイセエビが群れて潜んでいる場所が多く、他に、葉山トンネルの中にも、たくさんいるときがある。

ずっと以前、南伊豆は中木のヒリゾでモリを持って素潜りをしていて、岩の間にでかいイセエビを見つけた。
当時は、あまりうるさいことも言われなかったので、何度も潜ってこれを掻き出そうと試みた。
苦戦し敗北に終わった。
下手をすると、ひげを切ったり、クシャグシャに潰しかねない。
そうなると、あっという間にベラなどが群がる。
こんな美味いもんをベラに食わせる手はない。

岩に入ったイセエビは絶対に出てこさせることはできないよ、と民宿のおじさんに言われた。
でも、夜行けば、穴から山ほど出てきてあちこち散歩していると。
きっと葉山の夜の海もそうに違いない。
今年こそ、ぜひ夜に潜ってみたいものだ。
もちろん、伊勢海老を撮りに行くのだ。

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これは、若いイセエビ。
イセエビの子供は大抵岩の小さな穴の中に潜んでいる。
しかし、すぐに見つかる。
なぜなら、穴の口から長い触角が覗いているのだ。

子供の頃はピンクがかって可愛い。
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by 1colorbeach | 2011-02-01 23:41 | 甲殻類 (61)