イチモンジハゼ 

Trimma grammistes 葉山 権太郎岩

葉山の沖の岩礁の穴や窪みなどを覗くと、小さな魚が岩の上を行き来している。
それも、あちこちで見られるほど沢山いる。
大抵は、垂直に岩に張り付いたり、逆さまに天井に張り付いていたりしている。
スパイダーマンみたいなやつなのだ。

薄紅色のベースに、目から尾にかけて黒の縦じまが入り、吻から背びれにかけても白の一文字が走る。
それが名の由来なのか。
だいたい2~3cmくらいの可愛いハゼだが、キリッとしていて精悍だ。

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この魚、けっこう好みのタイプなのだが、ハゼらしくない。
沖縄などにいるベニハゼの仲間なのだが、未だにハゼの仲間という意識がない。
それは、ハゼにしては丸くなく、どちらかというとネンブツダイの仲間っぽい印象だからか。
見掛けの判断は大抵当たるが、このようなこともあるので、参考程度にとどめるようにしている。
人の見掛けは大抵外れている。

房総半島から四国などにかけての、温帯に分布する。
北限は佐渡島といわれている。
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by 1colorbeach | 2011-01-23 21:36 | 魚 (88)

ノコギリガニ

葉山 権太郎岩・権太郎岩沖 
Schizophrys aspera (A.Milne-Edwards, 1834).

葉山は、岩場、ごろた場、藻場そして砂地など、大変変化に富んだ水中景観を形成している。
特に、ビーチエントリーでは珍しい、そそり立つような岩礁帯が多くあり、たくさんの生き物の住処となっている。
その岩肌を表面的になぞってもなかなか生き物は見つからない。
しかし、岩の切れ込み・割れ目や岩に付着したコーラルの中などを覗いてみると実に色々と出てくる。

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ノコギリガニもその一つである。
これは、権太郎岩の沖合い、水深17mのオノミチサンゴの付け根に付いていた。
大型のクモガニの仲間である。
この種のご多分にもれず、体には海草やらフジツボを付着させている。
このカニは、夜行性で日ごろは表面的にはあまり出てこない。
分布は、房総半島以南で普通に見られる。

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これは、権太郎岩の水深7mで見つけたもの。
体に黄色いカイメンを付着させている。
側縁の歯のギザギザがいかにも鋸だ。
かなりごっつい。
殻もかなり固いそうだ。
体色は、上の写真とともにご覧いただくと、ベースは赤で鋏脚と歩脚には白色の帯がある。

葉山の甲殻類の中では、マルツノガニやアケウスなどとともに、親しみ深いカニだ。
食べても、両者よりは美味しそうだと思う。
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by 1colorbeach | 2011-01-20 21:46 | 甲殻類 (61)

ヒメハナギンチャク (茶) 葉山 権太郎岩沖

また、ヒメハナギンチャクか、とお嘆きのあなた。
すみません、好きなんです。
海の中の花、漂うように舞うその姿に惚れ惚れとしている。

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この子はちょっと地味だが、葉山の水深15m,岩と岩に囲まれた小さな砂地に咲いていた。
触手の色は、薄茶色がベースでヒメハナギンチャクの特徴である白いラインが入っている。
右端にメバルが見えると思うが、これを捕食したら凄いな、とずっと見ていた。
こんなでかい魚は食わないだろうなと思ったが、そのとおり、メバルは何食わぬ顔で去っていった。

左のほうに黒いモジャモジャが見える。
これは、ホウキムシといって、箒虫門という小さい門を2属で形成する生き物で、ヒメハナギンチャクの棲管に付着している。
いずれ、ご紹介させていただきます。

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これは砂地で見つけた、上に掲載したものと同色のヒメハナギンチャクのお子様だと思う。
この日はあちこちで、いろいろな色のヒメハナギンチャクを見つけたが、「出の良い日」っていうのがあるのだろうか。
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by 1colorbeach | 2011-01-17 22:13 | 刺胞動物 (25)

ハナオトメウミウシ 

葉山 権太郎岩 
Dermatobranchus ornatus (Bergh, 1874)

昨年末のことである。
なんとハナオトメウミウシが権太郎岩の浅場にいるという。
嘘だろ?と思ったが、行ってみた。
水路をくぐって教えられたポイントに着いた。
いつも、ウサギガイ系の写真を撮っているところだ。
何だ、いるじゃん。
だ、大ニュースだ。

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これまでの経験からすると大抵水深20m以深で見つけている。
しかも、IOPか大瀬崎である。
もちろん葉山では初めて見たが、こんな浅いところにいるとは。
かなり驚き。
確かにこの辺には、このウミウシの餌となるヤギ類がかなりあるからなぁと変に納得した。

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大きさは7~8cmか。
このウミウシ、大きいので目に入りやすい。
また、白をベースにオレンジの縁取りと輪っかの突起、そしてブルーの触覚。
この装いなら僕にも容易く見つかる。
オトメウミウシの仲間で、オレンジの〇が花のように散りばめられているのでこういう名前なんだろうが、”かなりキモイ”という人は多い。

いつもは何気なくチョロッと見ている場所なのだが、いるもんだねえ。
葉山、侮れません。
老眼は治らないんだから、注意力だけは何とかしなくては。
昔から「注意力のない子」と言われてきたからなあ。
三つ子の魂百までか。
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by 1colorbeach | 2011-01-16 00:23 | ウミウシ (57)

ヒメギンポ

葉山 権太郎岩 Springerichthys bapturus

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ヒメギンポのカップルである。
葉山の水深10m程度の岩肌などによく付いているのを見かける。
本州から九州に欠けて分布する。

オスは婚姻色バリバリでやる気十分だ。
積極的にメスに近づいては周りを廻ったり重なったりして、産卵を促す。
メスが産卵するとすかさずオスが放精をする。
よくコントロールが出来るものだ。
見習わなければ。

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どこかに良い男はいないかなと。
お眼めパッチリで、なかなか魅力的なメスだ。
まだ、頭はそんなに黒くない。

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産卵期になるとオスもメスも婚姻色が顕著となる。
これがメスのアップ。
頭部が黒っぽくなり、全体として濃い目の色になる。

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これがオス。
頭部と尾鰭が真っ黒になる。
体全体はオレンジ色っぽくなる。

産卵の時期は、水温の下がる秋から春にかけてだ。
ヒメギンポのカップルの愛の交歓をじっくり楽しめる季節となった。
ヒヒヒと笑いながら、じっくり観察したいと思う。
今年もまた葉山に出歯亀現る。
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by 1colorbeach | 2011-01-10 22:56 | 魚 (88)

カタクチイワシ

葉山 権太郎岩左沖 Engraulis japonica (Houttuyn, 1782)

この魚について語ったら、多分いくら時間があっても足りない。
それほど、大好きな魚である。
もちろん、食べるのに、である。

海の中の食物連鎖の一番最初に登場する魚ではあるが、どっこい人間が食っても十分に美味い。
と言うか、最高に美味い。
僕は子供の頃から、”シコ”と呼んできたこのイワシを食べ続けてきた。
全ての魚の中で、5本指に入るほど好きである。
実は5本は毎回種類が違うのだが。

新鮮なものはもちろん刺身だ。
手開きにして、生姜に酢醤油で食べる。
甘みと旨みのすべてを凝縮したような味わいは、比類ない。

天ぷらも美味い。
新鮮なものを腸も取らずにそのまま揚げる。
腸の苦味に身の甘みが相まって至高のコラボを醸し出す。

さらに美味しい食べ方は沢山あるのだが、キリがない。
ダイビングのブログだった。

ちなみに、この子供は所謂シラスである。
葉山の「ゆうしげ丸」でダイビング帰りにお土産として買っていく。
天日干しがメインだが、狙いは生シラスだ。
漁のある日は、朝8時までに予約をしておくと取って置いてくれる。
千円で山ほど入ってくるので、生にかき揚げに椀ダネにと、堪能できる。
酒が進み過ぎる。

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今年の初ダイビングは1月3日だった。
ウサギ年なので、縁起担ぎでウミウサギガイを中心に観察してきた。
ベニキヌヅツミ、シュスヅツミ、アヤメケボリ、トガリアヤメケボリ、トラフケボリ、セロガタケボリ、ムラクモコダマウサギなどだ。

ポイントを巡っているとき、権太郎岩の左先端の突き出た根を見上げたら、小魚が川のような群れとなって移動していた。
壮観だった。
カタクチイワシのお子様かと思ったが、葉山のショップのブログにはキビナゴと書いてあった。
どちらにせよ、水中に留まり、ずっと上を見上げていた。
水深12mに差し込む日の光も柔らかで、今年の海中での初日の出と相成った。
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by 1colorbeach | 2011-01-08 16:06 | 魚 (88)

キヌバリ 

葉山 権太郎岩  Pterogobius elapoides (Günther,1871 )

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キヌバリなんて、とても素敵な名前である。
絹を張ったような滑らかな艶肌から来ている。
艶肌を「体表」と書くと色気がない。
ハゼ科キヌバリ属。
そう、北海道から九州まで、幅広く分布するハゼの仲間だ。
沿岸の岩礁域や磯などに生息する。

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ベースは桃色の肌。
この字面だけでドキッとする。
そして、この黄色く縁取られた黒の横縞。
眼を通っていたり、鉢巻きみたいになっていたりしているのと、体の6本。
この横縞、日本海側や宮城県以北などのものは、7本あるのだ。
阪神タイガースのことは忘れよう。

葉山では、今キヌバリは恋のシーズンである。
浅瀬のあちこちで、このようなペアを見かける。
左側がオスの婚姻色。
胸鰭がブルーに染まり、頭と尾鰭の外縁が黄色い。

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このオス、実は自分の巣穴で卵を守る偉いやつなのである。
イケメンならぬ「イクメン」は魚の世界ではとっくに普通のこととなっているようだ。
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by 1colorbeach | 2011-01-02 22:59 | 魚 (88)