テンロクケボリ Pseudosimnia whitworthi 葉山 権太郎岩

西伊豆の大瀬崎ではしばしば見かけるウミウサギガイの仲間だ。
葉山ではわりと珍しい。
沖のトゲトサカに付いているのは見たことがある。
しかし、これは権太郎岩の浅場の紅い小さなトサカにいた。

外套膜の丸いピンクの水玉模様がとても可愛い貝だ。
ちょっとお洒落なキャンディみたいで美味しそうでもある。
草間彌生ワールド。

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テンロクという名前の由来は、山形県の銘菓ではない。
あれは「でん六豆」か。
創業者の名前から取った、後引き度90%のおいしい豆菓子だった。
無理やりだが、似ていなくもないか。
いや、やはり似ていない。

冗談はさておき、テンロクの由来は、貝に6個の点があることによるものだ。
この際ロクテンでもいいのだが、言い易いのかこういうことになっている。
外套膜が剥けると、このように綺麗な白い貝が出てくる。
“テンロク”は見えていない。

ぜひ、何度も逢いたい貝である。

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by 1colorbeach | 2010-09-28 19:39 | 貝 (40)

ウスハオウギガニ Neoxanthops lineatus (A. Milne Edwards, 1867) 葉山 権太郎岩

甲殻類というのはダイバーの中でも好みが分かれる。
キンチャクガニだとかフリソデエビなどは人気があるが、総じては地味だし同定が難しいところがその一因かとも思う。
このオウギガニの仲間も、それぞれがよく似ていて誰が誰だかよく分からないことが多い。
今日も悶々と石をめくる。

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ウスハオウギガニという。
足に茶褐色の縞があり、これで識別がしやすい。
乳色ベースの体に褐色のジグザグ縞模様が特徴的だ。
模様の形は個体によってそれぞれ異なり、また、まったくないのもいる。

トガリオウギガニによく似るが、ウスハの方が眼と眼が離れており、額が広くて前方に突出していない。
ポニョではない。
しかし、単体で見るとなかなか判別は難しい。

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浅い岩礁帯の転石の下などに生息しているが、これは、水深10mの石の下で見つけた。
葉山では普通種のようだが、いざ見つけようと思ってもなかなか見つかるものではない。

街中を歩いていて急に便意をもよおし、公衆トイレを探してもなかなか見つからないようなものである。
見つからないと煙草臭いがパチンコ屋に行くようにしている。

しかし、パチンコ屋で思い出したが、パチンコ屋のネオンで”パ”の字だけが消えているのを三度ほど見たことがある。
それぞれ別の店で、決まって”パ”の字が消えているのである。
わざと消しているとは思えないのだが。
都市伝説?

話はそれたが、ウスハオウギガニは、これまで見たのは甲幅2cmくらいのものばかりだったが、これは4cmはあった。
海が荒れていてちょっと収穫ないなあ、と思っていたのだが、良い出会いだった。
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by 1colorbeach | 2010-09-24 22:08 | 甲殻類 (61)

ウミテング 葉山 170度の根

葉山のダイビングスポットは大きくは2つある。
一つは、南西に向けた権太郎岩方面、もう一つは、南に向けた170度の根方面である。
他に、鮫島方面という群れの多いマニアックなポイントがある。
昔、初心者の頃ガイドに連れて行ってもらったことはあるが、遠いためか、あまりショップも行かない。

僕は、ほとんど権太郎岩方面で潜っていて、滅多に170度の根方面にも行かない。
が、キスの群れやらヒメハナギンチャクなどの昔の写真の撮り直しに、最近、170度の根の砂地に何度が行ってみた。

そしたらこの夏、思いもよらぬ、凄い出会いがあった。

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ウミテング Eurypegasus draconis (w:Linnaeus,1766) という。
ウミテングと言っても、葉山の海岸で自慢話をしているダイバーのことではない。
あっ、そんなやつは僕しかいないので素性がばれてしまう。

この魚は、トゲウオ目ウミテング科に属するちょっと変わった姿の魚である。
タツノオトシゴ、カミソリウオ、ヘコアユなどが親戚筋に当たる。
千葉県以南の温帯から熱帯に分布し、砂泥地に棲んで小型の甲殻類やゴカイなどを食べている魚だ。
同じ相模湾でも真鶴や福浦ではよく観察されているが、僕は葉山では初めて見た。

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英名では、sea mothとかlittle dragonfishとか呼ばれているらしいが、僕は鳥類を思い浮かべる。
長く突き出た吻が嘴で、大きな胸鰭が羽だ。
しかし、鳥のわりには、動きが非常に緩慢である。
動いた時に、このように手を出すと手乗りになってくれた。
可愛い。
ちなみに、生き物に触ったのではなく、生き物に触られたのである。

しかし、感動もつかの間、いろいろと考えさせられてしまう。
この日、コウワンテグリの幼魚と思われるものも見た。
この夏の異常気象…地球温暖化の産物なのだろうか。

沖縄などで漁師に恐れられている、吻の尖ったダツという魚がいる。
夜の潜り漁やナイトダイビングなどの際、手に持ったライトに向かって突進してくるのだ。
刺さったら命にかかわる。
葉山近辺にもいて、これを地物として刺身で出している知り合いの寿司屋の親父さんが、「20年前には、葉山にはいなかったよぉ」と嘆いていた。

地球温暖化防止のために、個人でも出来ることはやろうと思っている。
この夏の暑さは異常だったが、出来る限りクーラーを使わないようにした。
しかし、おかげで、ものすごい汗疹に悩まされた。
朝起きるとコップ3杯分のオネショくらいシーツが濡れているのだ。
失恋の涙ではない。
ひどく痒い夏でもあった。
身にしみて温暖化への警鐘を受け取ったのだろう。

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by 1colorbeach | 2010-09-18 18:05 | 魚 (89)

ベニホンヤドカリ Pagurus rubrior (Komai, 2003) 葉山権太郎岩沖

ヤドカリという生き物は誰でもよく知っている。
お子さまから100歳を越えたお年寄りまで、日本全国老若男女とその認知度は幅広い。
認知度は、AKB48より遥かに高いはずだ。
僕だって未だAKB48が何だか分からない。

しかし、「これって何ヤドカリ?」と聞かれたらたいていの人は答えられないと思う。
セミなら、アブラ、ミンミン、ツクツクボウシ、ヒグラシなどと誰でもスラスラと出てくるだろう。
しかし、ヤドカリはヤドカリなのだ。
これだけ知られているのに、実はこれだけ知られていない謎の生き物、ヤドカリ。
謎のキャラに、ますます愛は深まって行く。

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これは、ベニホンヤドカリという。
東北以南に生息する大型のヤドカリで、水深300mからも見つかっているそうだ。
この子は、ミガキボラと思われる大型の貝殻を背負っていた。
どちらかといえば、夜行性で深場に棲んでいるが、これは葉山の水深5mの石の下で見つけたもの。

名前の通り、鮮やかな紅色の体色だ。
この鮮やかな紅色は数あるヤドカリの中でもかなり目立つ。
眼はエメラルド色、眼柄も触覚も紅白と実に目出度い。
海の中で、思わず「宴じゃ、酒を持てい」と叫んでしまう。
飲んで潜ってはいけない。
しかも、さすがホンヤドカリ科で、右の鋏脚が立派でデカイ。
実に華があるではないか。

不況でもあり貧乏なので、来年の正月からは、伊勢海老の替わりにこいつを飾ろうかと思っている…。

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by 1colorbeach | 2010-09-10 21:06 | 甲殻類 (61)

オキタナゴ

この週末の葉山は、良い海だった。
透視度8~10m。
これだけあれば、コンパスは要らない。
沖を自由に泳いできた。
でも、老体にはチト疲れた。

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オキタナゴの群れ。
ウミタナゴとよく似ているが、体高が低いので見分けがつく。
卵胎生といって、お腹の中で卵が孵り、小さい稚魚を放出する。
メバルなどもそうだ。
尾びれから出てくる稚魚もいるので、山陰地方など、逆子を嫌い妊婦には食べさせないところもあるそうだ。
一方、子を沢山生むので安産につながるとして食べさせる地方もあるという。
カルシウムがあって淡白で、妊婦には良いと思う。

ここは水深14mのところなのだが、陽の光が入って綺麗だった。
仰向けになって暫し上を見上げ漂っていた。
ダイビング冥利だなぁ。
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by 1colorbeach | 2010-09-05 22:54 | 魚 (89)