ボウズコウイカ  Sepia erostrata  葉山・権太郎岩 201005

葉山の権太郎岩には、時期によっては必ずこのイカが集まるポイントがある。
交接の場所なのだろうか、そこは岩に囲まれた水深10m程度の暗がりだ。
不良の溜まり場のようなところだ。
たむろしては、透明な鰭を流れるように動かしホーバリングをしている。

胴に腹巻のような、鉢巻のような帯がある。
これが特徴だ。

この子達は、100mm程度の小型の可愛いイカだ。
しかし、何気にライトを向けるとこの子は睨みを効かせる。
さすが不良、目つきが悪い。
なんてことはない。

d0175710_18501431.jpg


このイカ、泳いで通る背景によって刻々と色を変えていく。
また、ちょっかいを出すと怒って体の形や色を変える。
そんなことをしてはいけない。

まるで忍者、変身と隠れ身の術だ。
追いかけていたら、ちょっと怒らせてしまった。
だからぁ~、生き物は追っちゃいけない。

でも、なんの真似をしているのだろうか。
かかってらっしゃ~い、の戦闘のポーズ?
それともガキデカ?
そういえば、よく、こまわり君はパンツを下ろして「あふりか像が好き! 」をやっていた。

d0175710_18503113.jpg


食べても甘みがあってネットリとして美味いと思う。
いつか食ってやる。

死刑!!!!
[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-31 22:19 | その他の葉山の海の生き物 (46)

シラユキウミウシ 葉山権太郎岩 1006

白雪姫は、ディズニーの初めての長編カラーアニメ映画だ。
公開が支那事変の勃発した1937年。
太平洋戦争の始まる時代にこんなに心豊かな映画を米国は作っていたのだ。
精神的にも負けていたと思わざるを得ない。

この映画、キャラクターの動きといい、色の美しさといい、この時代でありながら、現在のアニメ作品と比べても勝っていると思える素晴らしいものだ。
また、個人的な好みとしても、シンデレラやリロよりも、白雪姫の方がはるかにタイプだ。

ウミウシの世界にも白雪姫はいる。
シラユキウミウシ(Noumea nivalis Baba, 1937)。
このウミウシは、葉山ではほぼ通年見ることが出来る。
大抵は、岩壁に埋もれるようになっているところを見つける。
王子としては、思わず、姫! と掘り出したくなる。
掘り出してみると、8mmくらいの可愛い子だった。
儲け。

d0175710_21355716.jpg


これとよく似たのにシラユキモドキというのがいる。
シラユキモドキは、外縁の黄色がはっきりせず、触覚の先端が赤紫であるということで本種との区別がつく…と言われている。
スマン、最近知った。
それまで、背面の赤い点があるのがシラユキ、ないのがモドキだとずっと思っていた。
それでも、大抵当たるが。
が、白雪なのに背中に染みがあるんだなあ、と非学術的かつ情緒的な疑問を持ち続けていたのであった。

ちなみに、魔女である白雪姫の悪い母親はドラゴンで、王子と戦って滅ぼされたとずっと思っていた。
あっ、そりゃ「眠れる森の美女」だ。
[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-25 21:38 | ウミウシ (57)

ホヤの仲間 ( ワライボヤ パンダボヤ ) 葉山

なんじゃこりゃ、と驚かれる方もいるだろう。
そう、これは、なんと「ホヤ」の仲間です。
なんじゃほや、と驚いてください。

私的な話で恐縮だが、って私的な話しかしていないが、僕はホヤが大好物だ。
クサヤの次くらいに好きだ。

誰が名づけたか海のパイナップル。
何であれがパイナップルか。
パイナップルが聞いたら腰抜かす。
で、あのホヤと同じ仲間なのだ。

しかし、どうして、あんな美味しいホヤを嫌いな人が多いのか。
飲み屋生活30年の経験値では、好き嫌いの割合はだいたい3:7くらいの気がする。
酒飲みでさえでもだ。
一般の堅気の方を入れれば、もっと好きな人比率は落ちるだろう。
「ホヤズキ」は希少種なのだ。

d0175710_14555949.jpg


ホヤというのは、脊索動物門に属し、分類上はヒトデなんかよりも全然人間に近い生き物だ。
単なる駄洒落で、比較があまり適切ではなかった。
分類上はゴキブリなんかよりも全然人間に近い生き物だ。
あまり変らんか。
ホヤは、海水ごと餌を取り入れる入水孔と出口である出水孔を持っており、体は被嚢(ひのう)と呼ばれる組織で覆われている。

しかし、どうしたら、こんなデザインを思いつくのだろうか。
もっとも偉大なデザイナーは神様だとつくづく思う。

写真のホヤの仲間は、ダイバーには、ワライボヤ、またはパンダボヤなどと呼ばれている。
こやつら、葉山の浅場から深場のあちこちで、ダイバーを見て嘲り笑っておるのだ。

これ以外にもホヤの仲間にはウルトラマンに似たのやら中国商人に似たのやら、それこそ人面瘡のごとく種類が沢山いる。

嫌な世の中、海の中で彼らに出会うとなぜかホッとする。
が、海から上がってきたら、ひざ小僧にこのホヤが…。
[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-22 14:56 | その他の葉山の海の生き物 (46)

アケウス 葉山 201006

このモコモコはアケウスという。
節足動物門のクモガニ科アケウス属に属しているカニの仲間だす。

僕も人のわりには奇妙なカッコをしているが、こいつもカニにしては、実に奇妙な体をしている。
黄色いのはカイメンで、フサフサしているのはヒドロ虫だと思う。
カイメンやヒドロ虫が歩いてくるとは思えないので、彼?は、これらを鋏でちぎって体に付着させているだ。
どうやって付着させているのだろうか?
カイメンやヒドロ虫のほうが、岩に付着するようにくっついてくれるのだろうか?

実に偽装上手。
あっ、これじゃアネハだ。
擬装上手。

d0175710_1923016.jpg


これは、葉山の沖、水深14mのカイメンの上にいたところを見つけた。
見つかったことに気付いたのか、一生懸命に逃げていた。
学名は、Achaeus japonicus (De Haan, 1839)。
アケウスというのはそのものなのだが、japonicusは嬉しい。

でも、一度丸裸に剥いてみたいと思っている。
虐待だ、変態だ、という人もいると思う。

何が悪い。
って開き直ってはいけない。
でも、その衝動をいつまで抑えられるか、最近自分に自身がない。
カミングアウトか。
自然派ダイバーの怒りをかいそうだ。

d0175710_1946552.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-19 19:24 | 甲殻類 (61)

マダコ Octopus vulgaris (Cuvier, 1797)  葉山 権太郎岩

葉山にはマダコが多く生息している。
餌である甲殻類や貝類が豊富だからだろうか。
休日には、岸壁からこれを釣りに、たくさんのタコオヤジも集まって来る。
釣られたタコは、今夜のタコオヤジたちの共食いの酒の肴となる。
葉山や佐島のタコは、味が濃くて美味しいと言われている。

タコオヤジは、昔からの常連も多く、マナーもそこそこダイバーの次くらいに良く、冬はドライのジッパーを閉めてくれるので、ダイバーとは共存関係を保っている。

しかし、最近釣りを始めたような若い連中の中にはマナーの悪い人が多いようだ。
岸壁で、後ろを見ないでリールを飛ばすは、路上駐車はするは、ゴミやタバコの吸殻を捨てるは、で嘆かわしい。033.gif

僕が潜る葉山の磯で品の良い順に並べると
日光浴するカップル→磯遊びの家族→シュノーケラー→→ダイバー→→→タコオヤジ→→フナムシ→岸壁の若い釣り人
となる。

d0175710_1045394.jpg


マダコは、岩礁の割れ目や岩と砂の間の隙間などに棲んでいる。
どういうわけだか、頭に貝を被って隠れていたり、巣の周りに貝殻などを積んでありますので、わりと簡単にいる場所は見つけることができる。
夜行性だが、昼でも散歩をしていたりジッとしていたりするのをよく見かける。

これは、岩になったつもりなのだろうか。
弾力ある変幻自在な体を伸縮させ、突起を岩や海草に見立て、皮膚の色素細胞を駆使して色を変える。
擬態上手な彼らは色々なカッコをしてくれてダイバーを楽しませてくれる。
まさに、ミミック。

The Beatles のAbbey Road の中にOctopus's Garden という曲がある。
ボーカルも担当しているRingo Starrの作品で、海の底で平和に暮らしているタコと遊ぶほのぼのとした歌だ。
ダイビング中にタコを見た後は、この曲がずっと繰り返し頭の中でリピートしている。





Abbey Road (Dig)

Beatles / EMI


[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-15 11:09 | その他の葉山の海の生き物 (46)

サクラミノウミウシ 葉山 権太郎岩

今年の春の葉山は、ツグチガイだけでなく、サクラミノウミウシも「だらけ」だった。
だらけていたわけではない。
浅場にも沖にもゴロゴロといて、足の踏み場もないほどかと。
たまにアオウミウシがいると、とても新鮮な気持ちでついカメラを向けていた。
センナリウミヒドラに着生するといわれているが、そんなもん、どこにもないじゃん、というところにも沢山いた。
コケムシなども食べるのかな。

d0175710_7451688.jpg


白と桜色ベースの実に上品で美しいウミウシである。
学名は、Sakuraeolis sakuracea (Hirano, 1999)という。
名前も美しいと本体も美しいものなのだ。

逆に、ジャイ子という名に、絶対美人はいないようなものだ。
僕の経験上、京子、淳子、里子に美人が多かったような気がする。
私的思い込みの強い話なので聞き流してください。
どうせ、今はみんな婆さんだ。
優那、葵、凛のような”ナウイ”名前の知り合いは生憎いない。

話は変わるが、日本人に生まれて良かったと思う。
やはり、桜に対する思い入れだろうか。
ウミウシで日本代表を選ぶとしたら当然にこれだ。

間違ってもヤマトウミウシ( Homoiodoris japonica(Bergh,1881))
d0175710_14335121.jpg

が選ばれないことを心の底から祈っている。

なお、僕の持っている東海大学出版会の、フィールド図鑑「海岸動物」1994年4月20日第2版では、なんとサクラミノウミウシが「ガーベラミノウミウシ」と表示されており、ガーベラミノウミウシは「ミノウミウシの仲間」と表示されている。
ちゃんと同定されたのは1999年だからね。


年寄りなので、昨夜テレビ東京で、懐かしの歌番組を見た。
若い頃と現在の倍賞千恵子さんが出演されていた。

おい、サクラ、お兄ちゃんはどれがホントのサクラだか区別がつかないよ。

d0175710_6431283.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-14 07:48 | ウミウシ (57)

ウスマメホネナシサンゴ Corynactis aff. Viridis 葉山 201006

ホネナシサンゴ目は、分類上は六放サンゴ亜鋼に属し、イソギンチャク目やイシサンゴ目の仲間である。
ホネナシサンゴ目のホネナシサンゴという種は、太平洋やインド洋の超深海に棲んでいるが、このウスマメホネナシサンゴという種は、本州北部~中部の水深10m以浅の岩礁で見つかる、とオタッキーなイソギンチャク図鑑に書いてあった。
だからといって言う訳ではないが、これは葉山の沖、水深16mに群生していたものだ。
学者とダイバーの関係なんてこんなもんだ。
もっと交流があってもいいのかもしれないが。

d0175710_22404626.jpg


ウスマメホネナシサンゴは、姿かたちはイソギンチャクそのものだが、土台にはりっぱな石灰質の骨格を持っている。
だから、分類上はイソギンチャクとは目(もく)が異なるのだ。
見かけだけでは判断がつかない。
声を大にして言いたいが、人も外見だけで判断しないようにしてもらいたい。
あっ、私的なことだった。

暗い葉山沖の海の中で、岩肌に光を当てるとこれが浮かび上がる。
シャボン玉を散らしたように、触手の先端の頂球が舞う姿は、とても美しく感動的だ。

うーん、ドラエモンの手のようでもあり可愛いとも思うなあ。

美しくて可愛い。
そういう方にいつか巡り会いたいという、望みだけで老骨に鞭打って潜っている。
動機不純?
未だ、海では真っ黒顔やシミ顔としか出会ってないからなぁ。
あっ、海では、でした。

d0175710_2241379.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-11 22:43 | 刺胞動物 (25)

ツグチガイ 葉山 権太郎岩 201005

今年の春は、葉山では物凄くツグチガイが目についた。
鼻にもつくほどいたし、浅場にも深場にも山にも里にも野にもいた。

ツグチガイは、本州や韓国南部の温帯域に生息する、ウミウサギガイの仲間ですある。
イソバナやヤギなどに擬態をしながら、かつ迷惑をかけながら付いている。
でも、美しいので許されているのだと思う。
どこの世界もでも美人は得だ。041.gif

d0175710_22111788.jpg


ツグチガイもそうだが、ウミウサギガイの仲間は付いているヤギ、いわゆるホストの色によってその色彩も多様に変化する。
ホストの色に染められたい、なんて危ない雰囲気だ。
しかし、実は、逆にホストを餌として食い物にしている、美しい見かけとは違ってなかなかしたたかなご婦人方なのだ。

見かけの特徴としては、黒い斑点のポチと白いポツポツの突起である。
ツグチガイを探すときは、とにかくイソバナやヤギを丹念に見ていくこと。
また、そうすると、思わぬ他の生き物も見つけることがある。
それをやっていて、この間はアケウスを見つけた。
全然マクロの目になってないじゃんか。

貝拾いに血眼になる貝マニアの方はとても多い。
こんな貝殻に、と思うほど高額で取引している方も沢山いる。
ことの是非はともかく、生体を見られるのはダイバーの幸せ特権なのかもしれない。
[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-08 22:10 | 貝 (40)

イソギンポ 葉山 201006

僕の場合、一本のダイビング時間が非常に長い。
そのお陰か、指は痺れ関節には痛みが走る。
まさか…ゲ…。005.gif

冗談はさておき、足の立つ超浅瀬に戻ってきてからがこれまった長いのだ。
葉山の浅瀬は、ウミウシ、ギンポ、甲殻類などの宝庫で、一日いても飽きない。
そのため、首の後ろだけ日焼けするという最悪のパターンに何度も陥った。
要は、学習能力がないということだ。
また、冬などは、尿意との壮絶な戦いが待っている。

そのような様々な代償の結果、ダイビングのエグジット前に数十cmの浅瀬で見つけたイソギンポである。

d0175710_10105562.jpg


イソギンポは、目の上に枝分かれしたアンテナのような皮弁が特徴だ。
このように岩の巣穴に入って、顔だけ出して周りを見張っている姿はとても愛らしく、ついカメラを向けてしまう。

時々穴から出ては甲殻類などを捕食するが、上あごに犬歯があり、咬まれたら痛いそうだ。
が、犬歯のことよりも、そこまで指を突っ込む人がいるということの方が驚きだった。


子供の頃、これを磯遊びで初めて見つけた時に、物珍しく一時間以上も観察していた記憶がある。
童心に返って、あんまりじっと観ていたので、睨まれてしまった。
恐るべし、イソギンポ。

d0175710_10143882.jpg

[PR]

by 1colorbeach | 2010-08-07 10:21 | 魚 (88)