ソメンヤドカリ 葉山 権太郎岩 Dardanus pedunculatus (Herbst, 1804)
2011年 03月 28日
特徴は、左の鋏脚が大きいこと、眼が抹茶色をしていること、眼と頭をつなぐ眼柄が赤白であること、宿である貝殻に共生の関係であるイソギンチャクを付着させていることなどである。
ソメンの他にも、サメハダヤドカリやイボアシヤドカリなどがこのイソギンチャクを宿貝に付けていることが知られている。
このヤドカリ、実に足が速い。
で、ご法度の指で押さえて写真を撮ったわけだが、これがベニヒモイソギンチャクを刺激した。
刺激されると、このように槍糸と呼ばれる刺胞毒を持ったピンクのヒモを吐き出すのである。
これが、このイソギンチャクの武器なのだ。
スパイダーマンみたいだ。
ヤドカリの天敵であるイシダイやらタコなどがヤドカリを襲おうとしても、このイソギンチャクの毒針攻撃がある限りおいそれと手は出せない。
ヤドカリを結果として守っているのだ。
そして、イソギンチャクは、ご褒美にヤドカリの餌のおこぼれをもらっているのである。
こうなると誰も近づかない。
このことを称してソメンソカともいう。
ヤドカリは成長のたびに、窮屈になった宿貝を住み替えるのだが、その都度このイソギンチャクも連れて行く。
聞いた話だが、イソギンチャクを突いたり包んだりして刺激して柔らかくし、住替え先の新しい貝殻に押し付け、イソギンチャクに引っ越せと促すらしい。
この時は槍糸は出さないのだろうか。
不思議な関係だし、不思議な行動だ。
これは、大瀬崎で見たソメンちゃん。
槍糸がイソギンチャクの白い点の部分から出ているのがよく分かる。
また、足や槍糸の流れる角度で、猛スピードで逃げていく様もよく分かる。
確かに速い。
一眼欲しくなっちゃうね。
ミズヒキゴカイ、確かに似てます。
ソメンちゃんだけ砂に埋めたら、そのものかも。
普通種って、その場所でそれだけ繁殖しているっていうことで、やはり何らかの生きていくための力や魅力があるってことなんでしょうね。
奥深い。