チャガラ Pterogobius zonoleucus Jordan and Snyder,1901

ハゼの仲間には美しいものが多い。
また、地味なやつでも個性豊かだし、分類も複雑だ。
世にダイバーのハゼマニアは多い。
研究面でも、天皇陛下がハゼの分類がご専門で、貴重な論文を残されている。

僕は魚類の中でハゼが好きだ。
それは、バリエーションがあって楽しいからだ。
単純だ。
で、ハゼの仲間で一番好きなのはこれだ。

d0175710_10255932.jpg

チャガラという
千葉・新潟から九州にかけて分布する普通種。
大きくなっても、10cmくらいか。
寿命は一年程度で、冬期にペアリングする。
婚姻色は実に美しい。
そして、春濁りの時期に産卵する。
初夏には、パッチリとした黒眼の、オレンジ色の可愛い大群が見られる。

d0175710_10261968.jpg

しかし、チャガラとは色気のない名前である。
稚魚の色が単色で地味で細くてお茶殻のようだというところから来ているらしい。
しかし、親の色はこのとおり。
黄色の横縞に南の国の織物のような背鰭・腹鰭。
僕は世界で一番美しいハゼだと思っている。
人の好みなのでちょっかい出さなくてもヨロシ。

d0175710_10281675.jpg

冬の終わりに岩の下で見つけたチャガラ。
子孫を残す、という大仕事を終えたのだろうか。
ボロボロになってひっそりと朽ちていく。
ダイビングで体感できる世界は、華やかで綺麗というイメージがある。
しかし、この時は、生と死という過去から遠い未来にかけて永遠に続く繰り返しの”あはれ”に、ちょっぴり想いをはせてみた。

このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
早い復旧・復興をお祈りしております。
出来ることはやらせていただきたいと思っています。
[PR]

by 1colorbeach | 2011-03-19 10:32 | 魚 (89)