ケヤリムシ 

Sabellastarte japonica (Marenzeller) 葉山 権太郎岩


干潮時のタイドプールなどで、筒の中から、打ち上げられた花火のようにそよいでいるものを見かけることがある。
これがケヤリムシだ。
環形動物門多毛綱ケヤリムシ目ケヤリムシ科に属する生き物で、いわゆるゴカイの仲間である。

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花火の付いているワサビのような黄色っぽい筒は、泥などを分泌物で固めて作った棲管と呼ばれ、この中に本体のゴカイが潜んでいる。
そのゴカイの頭についていて筒から顔を出している大玉花火は、鰓冠と呼ばれる触手で、海中のプランクトンを摂取したり呼吸をしたりするものだ。
近づいたり光が当たったりすると、アッという間にこの鰓冠を棲管の中に引っ込めてしまう。
ケヤリムシという名前の由来は、この花火を大名行列の先頭を行く毛槍に準えているところからきている。

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僕はこのケヤリムシの仲間が大好きだ。
やはり綺麗なものはいい。
汚いものほど綺麗なものを求めているわけではない。

海の中で、ケヤリムシを見つけると必ず挨拶代わりに写真を撮る。
が、最近は、義務的で愛がないと反省している。
美人は慣れるというからなあ。

いつか海の中に鋏を持っていって、この棲管を切り裂いて、中のゴカイとご対面したいと思っている。
美しい思い出は美しいままにしておけ、という善意の声が聞こえてくるが、いつまでこの衝動に耐えられるだろうか。

その時は、“自然保護派ダイバーさん”許して。

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by 1colorbeach | 2011-02-18 22:24 | その他の葉山の海の生き物 (46)