ベニホンヤドカリ Pagurus rubrior (Komai, 2003) 葉山権太郎岩沖
2010年 09月 10日
お子さまから100歳を越えたお年寄りまで、日本全国老若男女とその認知度は幅広い。
認知度は、AKB48より遥かに高いはずだ。
僕だって未だAKB48が何だか分からない。
しかし、「これって何ヤドカリ?」と聞かれたらたいていの人は答えられないと思う。
セミなら、アブラ、ミンミン、ツクツクボウシ、ヒグラシなどと誰でもスラスラと出てくるだろう。
しかし、ヤドカリはヤドカリなのだ。
これだけ知られているのに、実はこれだけ知られていない謎の生き物、ヤドカリ。
謎のキャラに、ますます愛は深まって行く。
これは、ベニホンヤドカリという。
東北以南に生息する大型のヤドカリで、水深300mからも見つかっているそうだ。
この子は、ミガキボラと思われる大型の貝殻を背負っていた。
どちらかといえば、夜行性で深場に棲んでいるが、これは葉山の水深5mの石の下で見つけたもの。
名前の通り、鮮やかな紅色の体色だ。
この鮮やかな紅色は数あるヤドカリの中でもかなり目立つ。
眼はエメラルド色、眼柄も触覚も紅白と実に目出度い。
海の中で、思わず「宴じゃ、酒を持てい」と叫んでしまう。
飲んで潜ってはいけない。
しかも、さすがホンヤドカリ科で、右の鋏脚が立派でデカイ。
実に華があるではないか。
不況でもあり貧乏なので、来年の正月からは、伊勢海老の替わりにこいつを飾ろうかと思っている…。